2014年4月17日木曜日
ジェフ・ベゾス 果てなき野望 / ブラッド・ストーン
私がAmazonから買い物をするようになったのは、まだ創業2年目くらいで、同僚から米国から技術書を個人輸入するのにここが便利と教えて貰ったのがきっかけです。
米国から航空便で太平洋を渡って送って貰っても、近くの大型書店の輸入書コーナーで買うよりも安く、在庫がなく取り寄せになる場合だとAmazonの方が早かったのです。
まだWebでの技術情報などほとんどない頃で、日本語に翻訳したのはアメリカで出版されてから1年以上後になりますから、最新のプログラミング技術の解説書となると英語版を取り寄せて、読むしかなかったのです。
今は翻訳本が3ヶ月から半年くらいで発売になるし、Webにも日本語で最新情報が掲載されていることが多いので、楽になりましたけどね。
その頃のインタビューで、ベゾス氏が「顧客がネット通販で注文するという流れができてしまえば、後は販売する商品のラインアップを順次拡大していけばいい」と、いつまでも本屋のままでいるつもりはないことを答えてた記事を覚えているのですが、本書によるとその頃は「書籍以外を取り扱うつもりはない」と公言していたことになってます。
最近のインタビューで「10年後にどのように変わっていくか?」という質問に「10年後に変わるものを考える質問には興味がない。10年後でも変わらないものに興味がある。10年経ったら顧客が値段が高くてもいいというか?NOだ!だからAmazonは値段を安くすることに注力する。10年後には注文したものが届くのが遅くなってもいいと顧客が言うだろうか?NOだ!だからAmazonは配送時間を短くすることに注力する。」というのがあったのですが、誠に慧眼と感服しました。
本書で何度も語られているのですが、ベゾス氏は長期戦略に拘り、短期的な利益など無視してライバルを徹底的に蹴落とし、競争に勝ち、顧客優先主義を徹底的に貫いています。
実際、私がAmazonで買い物をするようになって、かれこれ20年くらいになるわけですが、苦しいときのAmazon頼みで、大阪市内の大型店舗にもないものがAmazonでなら簡単に買えてしまうという経験を何度もしており、依存度はかなりのものがあります。
顧客にとっての信頼度の高さは、私だけではなく周りの人達を見ても、非常に高くて、本書に語られているように中毒レベルになってますね。
買い物をしなくても、Amazonのお薦めをチェックするのが日課になってますし(笑)
反面、社員の勤務状況の酷さは、これがあの顧客に親切なAmazonなのか?と驚くばかりです。
顧客第一主義の犠牲として、社員の方々の血と汗と涙が、洒落でも冗談でもなく、あるわけで。
これからの商取引の店舗はどうなって行くでしょうね?
私は結構リアル店舗で買うのが好きです。
実際に手に取ってみたいし、なにより店員さんと顔馴染みになって、何も買わなくてもフラっと店に行って雑談だけして帰ってくるのも好きです。
そういうのを楽しみたい人がいる限りは、リアル店舗は残るでしょうし、店舗としてもそうやって顔馴染みのお客さんを増やして継続して来店して貰えるかが、生き残る鍵になるんでしょうしね。
ネットオークションの最大手、eBayとの確執も書かれています。
今はeBayはAmazonに比べるとパッとしないようですが、私はeBayでも結構買い物をしています。
本当に馬鹿みたいに安い物があるのは、eBayが一番ですね。
Yahoo!オークションも安いのはあるけど、何故か海外から買う方が、送料合わせても安いんだもの。
というわけで、Amazonに世の中を支配されたくない人は、できる限り馴染みの店を作って、そこで買い物しましょうね。
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