今月のくるまにあをやっぱり買おうかなと書店を何軒か回ったんですが、売ってない。やっぱりああいう本当のことを書いていると、スポンサーが付かなくて、雑誌の経営が苦しいんでしょうか?福野氏はCGでも連載をされていますが、そっちも後数回で連載終了のようです。いい連載はすぐになくなるんですよねぇ。
先週は、V6は気持ちよくないと書きました。気持ちの良さでは直6だと。
V型自体は悪くないんですよ。多気筒ならばですが。8気筒以上になると、直列型だとエンジンの長さが長くなりすぎるので、水平対向かV型にするしかなくなります。8気筒ならば、90度か180度で完全バランスになります。これ以上の多気筒の場合は、後に述べる欠点が出るので、私は大排気量ではこれが一番バランスのいいエンジンレイアウトだと思っています。特に90度V8の場合、長さも幅もそれ程大きくなりませんしね。水平対向だと幅と吸排気系の取り回しに問題が出て来るんですけど、それもありませんし。
V12の場合は、片バンクの6気筒がそれだけで完全バランスなので、バンク角は何度でもバランスは取れます。それぞれのバンクの吸排気系も、通常は独立させるので、お互いのバンク間の点火間隔は気にしなくても構いませんしね。まあ排気音のことを考えると、点火間隔が均一になる60度かその倍数がいいんですけどね。吸排気系の取り回しを考えると、60度では狭すぎるし、120度では広すぎるので、90度くらいが楽なんでしょうけどね。但し、V12は直6と同じく3次の捻り振動があるため、高回転常用のエンジンには不向きです。今のF1がV10主流なのは、V8だと1気筒辺りの排気量が大きすぎるけど、V12だと3次の捻り振動がでるための消去法で選ばれているのです。
V1で採用されているV10の場合は、72度で振動バランスが取れます。しかし実際には90度付近が一番多く採用されているそうです。これはシャーシの空気抵抗(車体幅をできるだけ狭くする)、ブロックがシャーシの一部のためブロック剛性が要求される(狭いほど剛性を上げやすい)、吸排気の取り回し、振動等々の要求を色々と考えると、今の所90度が一番バランスがよいからだそうです。市販車に採用する場合なら、恐らく振動を最優先で72度になるんでしょうけどね。
さてV6ですが、これは何度にしても振動バランスは完全には取れません。直列3気筒は、クランク軸がすりこぎ運動をしますが、V6もそのはずです。V8と部品を共用するために、90度にしたものもありますが、位相クランクにしない限り、振動がかなり大きいものになっていまします。事実そういうV6は振動が酷いので有名ですし。
バンク角を60の倍数にすればマシなんですけどね。水平対向とかね。
もっとも直6は3次の捻り振動が出るので、高回転までは回せません。市販車でそんな上まで回す必要もないですけどね。そこまで回す必要がなければ直6が一番スムーズに回るエンジンにしやすいです。