2023年6月11日日曜日

なぜ私たちは存在するのか ウイルスがつなぐ生物の世界 / 宮沢 孝幸

ウィルスの専門家によるウィルスとは何かを解説されたものです。

ウィルスは自己増殖能力がなく、生物の細胞に取り憑いて増殖機構を借りて増えるので、生命が誕生してからでないと存在できません。
しかし構造が単純なウィルスの方が先に生まれて、それが進化して自己増殖機能を獲得したと考える方が、化学的にはあり得やすいのも事実です。(実際にそういう学説もあります)

本書を読んで初めて知ったのですが、動物の細胞同士で情報(RNAの欠片など)をやり取りする物質があって、実はそれがレトロウィルスと非常によく似ているのだそうです。
その機能と構造を見ても、一部がなんかの間違い(元になったDNAの異常とか)で、ウィルスに変わってもおかしくはないと思わされてしまいます。

ウィルスによるDNA書き換えが、進化の原因の一つであるというのは、最近では定説になりつつありますが、こういうことを見ていると、進化するためにウィルスを生物が自ら生み出したのではないか?と思ってしまいます。


ウイルス学者の絶望 / 宮沢 孝幸

コロナ騒動において、宮沢先生のような真っ当なウィルス学者は専門家会議から追い出され、ウィルスもワクチンも専門ではない政府に都合のいい発言をする医学者のみで構成され、その結論を国民を啓蒙し押し付けて、目的を忘れて厚労省の利権拡大に走ったのですが、当然政府の広報機関でしかないマスコミは、そのことを一切報道しません。

宮沢先生は、あちらこちらからの中傷誹謗に晒されながらも、学者としての良心に従って真実を伝えようとなされて来ました。
が、本書のタイトル通り、あまりにも世間が無知蒙昧過ぎて、啓蒙の心が折れてしまったようです。
コロナ騒動とはなんだったのか、を知りたい方は、ぜひ本書を含む先生の著書をご覧ください。

 

古代史のテクノロジー 日本の基礎はこうしてつくられた / 長野 正孝

古代の遺物には、現代のテクノロジーでも造るのが困難なものが多々あります。
そういうのを「宇宙人が作った」という人もいますが、現代人に作れないから古代人に作れたはずがない、というのは自分の愚かさを知らない現代人の思い込みです。

本書はそんな古代のテクノロジーを解説したもので、現代人が如何にモノを知らないかを明らかにしたものでもあります。
でも多分古代史の専門家には、こういうのは無視されるんでしょうけどね。


記憶の奴隷 / 渡辺 裕之

傭兵代理店などで、脇役として活躍している、素顔を知るものがいないスーパー・スパイ影山夏樹が主人公として登場です。
これ、特にシリーズ名が付いてないけど、今後も影山が主人公のものが発刊されることがあるのかな?

渡辺氏の小説に登場する人物は、どれもあまりにも超絶すぎて、リアリティに欠けるのですが、舞台となっている社会の背景とかは、かなり事実に近い感じで、その点ではリアリティがあって、両者のリアリティ感のアンバランスさが面白いんですよね。

 

絶対に民主化しない中国の歴史 / 井沢 元彦

ここのところ、中国大陸の富裕層の人達が海外(特に日本)に流出する例が増えているそうです。
中国国内にいると、いつ何時、共産党政府に言いがかりをつけられて財産を没収されるか分からないから、そうなる前に財産を海外に持ち出して没収されないようにするためなのだとか。

さて本書は、そのような恐怖政治を行なっている共産党政府が、何故に民主化を望む民衆によって倒されないのか? を解説したものです。
まあ単純にいうと、漢民族を称する大衆が民主化を望んでおらず、君主政治を心地よいと感じているから、ということでしょうね。
詳しくは本書をご覧ください。

とはいえ、ということは、Black Pooさんを倒しても、共産党の一党独裁恐怖政治は終わらない、という悲しい結論になるんですが。