元々は2002年に発刊されてものを文庫で再発刊されたようです。
著者も残念ながら、2020年にお亡くなりになったそうで。
そばというと、田んぼや畑の畦に植える救耕作物というイメージがあって、それ故にほっといても育つものと思ってましたが、実はそんなことはないそうで。
ただ、植えておくとそばの根から出る成分のせいで雑草が生えなくなるそうです。
畦に植えられていたのは、雑草が田畑に入って来ないようにするためだったのかも。
さて、日本人なら蕎麦切り(現代で一般的に蕎麦といえば切り麺を思い浮かべますが、それの本当の呼び名は「蕎麦切り」)が大好きな人が多いと思います。
かくいう私も、うどん文化の関西出身でありながら、幼少からうどんよりもそばの方が好きで、周りから変人扱いされていたりします。(関西でお昼にうどんでなくそばを頼むと「そんなでお腹空かへんの?」と言われます)
そのそばを育てて、安定した品質の粉を得るのは、そばという植物の特性上、非常に難しいのだとか。
昭和の初め頃までは、寒冷地でも育ち、年貢の対象にならない、ということで、関東では米の代わりとして重宝されていましたが、現代では日本での栽培は手間がかかる割に値段が安い、海外からは日本の品質要求の煩さの割に買い値が安い、ということで年々蕎麦粉の値段は上がり続けており、近いうちに日本人は蕎麦を食べることができなくなるかも知れません。