2021年1月16日土曜日

日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る / 播田安弘

歴史研究というのは、所謂文系と呼ばれる科学的な素養の乏しい方が多いせいか、きちんと科学的な考証に基づいた歴史上の事象に対する解釈をされる方が乏しいように思います。
なので、時々歴史研究とは門外漢と呼ばれる方達が、科学的な根拠に基づいて歴史学の定説というのを非難することがあります。
本書はその一つですね。

蒙古襲来に関しては「神風」というのが、都の公家による虚構であるというのが最新の定説になるつつあるのですが、では何故蒙古は撤退したのか?については説明ができていません。
氏は船舶設計の専門家であることから、当時の船艦がどのようなものであったかを厳密な資料に基づいて再現(3D CADで詳細な設計を)して、その性能を計算されています。
また玄界灘の季節毎の渡海の危険度なども調べ、蒙古軍の動きを推定されています。
こういう考証は、歴史研究者を名乗る人達には、到底不可能で、船舶の専門家だからできることでしょうね。

秀吉の中国からの大返し、戦艦大和についても、綿密な計算に基づいた推定をされており、恐らく今後の歴史研究にはこういう科学的な推測や推定ことが必要であるということになるのではないでしょうか。

あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた / アランナ・コリン

人間の身体は、頭の先から足の裏まで、様々な細菌が住んでおり、その細菌の働きで人は生きているのです。

ここ最近は腸内環境を整えることで健康を維持しようという動きが出て来ており、腸内の細菌の働きや所謂善玉菌の活性化のための食事というような本が、数々出版されてきています。
肥満やアレルギーなどの現代病と言われるものは、工業化された食品により腸内細菌のバランスが崩れて、所謂悪玉菌の感染が身体の中に広まった結果だというのが分かってきたようです。

とはいえ、所謂悪玉菌を身体の中から駆逐して善玉菌だけにすればいいかというとそういう訳でもなく、バランスが大切みたいです。
善玉菌が増えすぎてもよくないと。

取り敢えず、今既に食物繊維の豊富な食べ物を多く食べるようにしていますが、それが間違っていなかったという確信が持てたことは収穫でした。
今健康でも、これから母親になる、なりたいと思っている方々は、是非健康で丈夫な子供を産み育てるためにも、本書をご一読することをお薦め致します。