2019年2月10日日曜日

不自然な宇宙 宇宙はひとつだけなのか? / 須藤 靖



これまでに人類が見いだした物理法則は、法則として考えると不自然なことが多いと言われます。
例えば、世の中に働く力は、電磁力、弱い力、強い力、重力の4種類ですが、この内の重力が他の3つに比べて極端に弱いという問題があります。
このため、電磁力、弱い力、強い力は、統一理論で元々は一つの力であったことが判明していますが、重力だけはその力の弱さ故に統一できていません。
物理理論としては、統一できないというのは法則として不自然なわけです。

が、重力が他の3つの力と同じくらい強かったらどうなるか?を考えると、宇宙が宇宙としては存在できないという結論が出て来ます。
他の3つの力の強さの関係についても同様で、どれかが今よりも強かったり弱かったりすると、この宇宙が存在できそうにないのです。
ここから先になると、物理理論の問題なのか、哲学の問題なのか判らなくなるのですが…要約して語るだけの筆力もないので、本書を読んで戴きたいです。

いずれにしても、宇宙が宇宙であるためには、この世の物理法則は必然性があって、全ての物理法則が今の値であるが故に、この宇宙が存在しているということですね。