GMとデルファイが大赤字対策で大わらわですね。
車の売れ行きが悪くて赤字なのかと思ったら、そういうわけでもなくて、退職者の年金負担とか健康保険とかの支払いが多大な負担になっているのだとか。アメリカの自動車メーカーとか部品メーカーは、労働組合の力が強いため、労働者へのコスト負担がかなり大きいんだそうです。'50年代から'70年代のこの世を謳歌していた頃のアメリカ自動車業界が取り決めた年金負担が、今になってボディブローのように効いてきているということだそうで。
ドイツでもVWがコストの高い西ドイツの労働者の数を減らしたくても減らせず、給料そのままで週3日勤務になっているとか。ダイムラー・クライスラーやBMWなどは、まだそういう問題は出てきていないようですが、近い将来にはそういう労働コスト(しかも既に退職した人達の年金!)負担が大きくなって、経営コストを大幅に引き上げる可能性も高いです。
日本の自動車メーカーも他人事ではなく、10年後、20年後には同じような問題を引き起こす可能性もあります。そのためトヨタは、莫大な利益を上げているにも関わらず、春闘でゼロベア回答をするようになりました。
まあベアの根本は、消費者物価が毎年数%上がるからそれに合わせて給与も上がるべきだ、というものなので、ここ最近のように物価が上がるところが下がる傾向にあるなかでは、ベースアップする必要はないといえばないですが。
BMWはドイツとアメリカに工場を持ち、ノックダウン工場を南アメリカとタイに持っています。
ドイツとアメリカの労働コスト負担が大きくなるようになると、将来的にはドイツでは開発設計のみになるかも知れませんね。
日本企業でも、設計開発は日本でも、製造は全て東南アジアというところがありますし。
反面、製造の自動化が進むなら日本で製造する方がよいと、日本に工場を戻す企業もあります。
果たして、自動車メーカーはどちらの方へ進んでいくのでしょう?
ま、ユーザーとしてはどこで作られていても、BMWの品質と走りを保っていてくれればよいのですけどね。