今月も雑誌発売日が来ましたが、BMW関係のネタは見つけられず。
パリ・モーター・ショーで、X1コンセプトなるものが出品されていたことくらいでしょうか。
で、上のリンクはBMWとは関係ないですが、車の細かい部品の設計者にインタビューしているという珍しい本だったので、買ってみました。
凄いなと思ったのが、どの部品の設計の方も口を揃えて「気持ちの良い走りのために」「最後は徹底して走り込んで決めます」と答えられていることです。
そんなの当たり前だろう、というかも知れませんが、日本の車メーカーでは当たり前ではないのです。実際の話、車を運転したことがない(運転免許を持っていない)開発者もいると言われるくらいです。
実走試験するのはテストドライバーだけで、最終的な確認に責任者クラスの人が乗るくらいがほとんどみたいで、部品レベルの人達が実走試験をして最終的な設計値を詰めていくというのはないんです。何故かというと、実走試験で詰めるのは非常に時間が掛かる=金が掛かるからです。
#ドイツというか欧州の車メーカーだと、部品レベルの設計者がちゃんと実走試験するみたいですけどね。
開発コストをケチるために、シミュレーションだけで済ませてしまい、実走は最終確認だけというのが、現在の開発なんです。シミュレーションのレベルが非常に高くなって、ほぼ机上計算と実走が合うようになってきたから、それで十分という判断もあるのでしょうけどね。
今月のマガジンXのザ・総括で、ダイハツのタントが「まるでトヨタ車みたい」と批判されています。元々ダイハツは、スズキを追い越すべく「オーバークオリティ」な車造りを誇っていたのが、カタログには出てこない部分は安い部品に落とされていて、品質がトヨタレベルに落ちていると。
ダイハツは今や完全にトヨタの子会社なので、トヨタ車みたいな車造りをするようになるのは、当然のことかも知れません。
このことを考えると、スバル( 富士重工)がいつまで、走りの気持ち良さのために、設計者全員が実走試験で詰めていき、多少のコストアップも辞さず、スバル独自の技術を追求し、何十年後かの後輩設計者が「先輩はこんなに素晴らしい設計をしていたのか」と尊敬され、ユーザーから「こんな素晴らしい車を造ってくれてありがとう」と感謝される、ということが続けられるでしょうか?
もしこれがなくなるのであれば、十年後には韓国と中国に品質でも耐久性でもサービスでも値段でも追い越され、日本メーカーには何も残らなくなるでしょう。