2020年1月16日木曜日
三体 / 劉 慈欣
中国(台湾の中華民国ではなく、中華人民共和国の方)の作家による、超長編SF小説です。
ヒューゴ賞を受賞したとのことですが、原著が英語以外で書かれた小説としては初の受賞だそうで。
日本のSF小説でも、受賞できそうな作品は結構ありますけど、英訳されて世界的に発売になっている小説が殆どないからですかねぇ。
本国だけでなく、米国でも大ヒットした話題作ですが、やっと正式な日本語訳で発刊されました。
三部作だそうですが、第二部の日本語訳は今年発刊予定だそうです。
題名を聞いたときに、数学上の大問題「三体問題」についての小説かなと思いましたが、一応それが主題になっています。
但し、三体問題の完全に解けたというのではなくて…以下はネタばれになるので省略(笑
メインの主題は、人類の存亡にあります。
冒頭で共産党政府が国民党政府を、大陸から追い出した後に行われた「文化改革」の弾圧の様子が書かれています。
こんなこと書いて作者はよく生き延びられたな、と読んだ時には思いましたが、実際のところ元々は冒頭にあったこのシーンは、中国版では中程に移されているそうです。
文化改革は間違いだったと、共産党政府も今は反省しているようで、描くことは大丈夫みたいですが、流石に冒頭でいきなりは不味いと出版社が判断したとのこと。
ああいうことを本当に行っていたんだと思うと、共産主義というのが如何に恐ろしい思想なのか、よく判ります。
2020年1月12日日曜日
天使の腑: 警視庁特命捜査対策室九係 / 渡辺裕之
警視庁特命捜査対策室九係の第二段です。
主人公が中共へ渡って、米国ハリウッドのアクション映画さながらの活躍をします。
#作者もその辺りを登場人物に何度か「そんな米国映画みたいなことが可能だと」というような台詞を言わせてます(笑
中共政府が如何に腐敗した組織になっているかを描いた物語。
これがフィクションかというのが問題ですな。
鉄と日本刀 / 天田 昭次
自家製鉄という、刀匠自ら作業場に蹈鞴炉を構築し、古代刀を復元しようという試みをされている方が、その道のりを語った書です。
元々、日本刀の鍛錬についても、蹈鞴製鉄についても、元来「秘伝」というものなので、実は今の世には古の技は残っていません。
大正から昭和の始めに、作刀の技術が失われてしまうことに危惧を抱いた軍や政府の方々が、大変な苦労をされて、今の世に辛うじて伝わっているのです。
ゲームやアニメのお陰で、今の日本では日本刀人気が高まっていますが、その技を残し伝えるには、様々な理由から、今の日本では困難になっています。
その技を残していく大切さを、教えてくれる書です。
日本刀に興味がなくとも、日本文化の大切さを思う方は、是非ご一読下さい。
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