2016年9月10日土曜日
スリーパー / 楡周平
タイトルからスパイ物とは思いましたが、これを読んでいる時に、北朝鮮が核実験を再度行ったというニュースが入り、正にこの小説はフィクションの領域を超えてしまっているなと思いました。
いや本当に、この小説の内容は洒落にならんです。
日本はスパイ天国で、北朝鮮や中共のスパイがわんさかと来ていて、日本人でもうまく取り込まれてスリーパーと呼ばれる隠れ工作員になっている(或いはされている)人も大勢いるはずです。
沖縄の在日米軍基地が焦点になっているのですが、フィリピンは米軍を撤退させたため、現在は南沙諸島を中共の人民解放軍に実効支配されてしまっています。
米軍が撤退していなければ、こういうことは起こらなかったんでしょうけどね。
そういう現実を目の前にしていても、自分達とは関係ないと米軍の撤退を声高く叫ぶ連中は、やっぱり中共のスリーパーなんでしょうかね?
本作は由良憲二シリーズとして続くっぽいです。
シリーズ物は朝倉恭介シリーズ以来だと思いますが、本作はそのシリーズの続編的なものにもなっています。
2016年9月7日水曜日
土漠の花 / 月村了衛
「土漠」と書いて「どばく」と読むみたいですが、作者の造語ですね。
アフリカの砂漠のことを意味していると思います。
「砂漠」と書くと、サハラ砂漠のように「石が少ない」砂だらけの土地を連想します。
「沙漠」と書くと、アフガニスタン辺りの「水が少ない」岩と石だらけの土地を連想します。
舞台になっているソマリアの辺りは、砂というよりは乾燥した泥と土が延々と続く土地なので、「土漠」と表現されたのかなと思いますね。
後方支援に赴いた自衛隊が、現地の部族間闘争に巻き込まれ、戦闘状態に陥るというお話。
今のところ、実際にはこういうことは起きていないようです。
現地で自衛官が行方不明になったり事故で亡くなった、という話は聞かないので。
しかしながら、いくら後方支援とはいえ、戦闘地域に派遣されていれば、こういう事件が行っても不思議ではないです。
起こったときの日本政府の対応は、間違いなくこの物語の通りになるでしょうね。
登録:
投稿 (Atom)