2017年11月9日木曜日
DNAの98%は謎 生命の鍵を握る「非コードDNA」とは何か / 小林 武彦
我々の身体を形作る設計図と言われているDNAですが、その殆どがジャンク(ごみ)と呼ばれていて役に立たないものと思われていました。
しかしそのジャンクにこそ、生命を生み出す秘密がありそうだということが、近年の研究で分かってきています。
本書はその最新のDNA研究の成果の一端を説明してくれています。
しかし…非コードDNAの働きは複雑で、正直イマイチどうしてそういうことになっているのか理解しかねます。
今まで役に立つと思われていたコードDNAは、謂わば部品の設計図面に過ぎず、非コードDNAはその部品の組み立て手順書という感じでしょうか。
更に非コードDNA部分は、実はコードDNAが分散されて隠されているそうで、その組み合わせで様々な部品を作れるようになっているっぽいです。
無駄だらけと思われていた物が、実はほとんど無駄がない精密なものだったということなんでしょうね。
2017年11月8日水曜日
よみがえる古代の港: 古地形を復元する / 石村 智
古代の地形を復元とタイトルにあったので、単に海水位を上げただけではない、地質調査に基づいた地形復元をしているのかと期待しましたが、単純に海水位を古代の水位に上げただけのようです。
最新の地図ソフトを使って解析されているので、まだマシではありますが。
それでも古代の港の位置と、周りの地形の復元は、かなり精度よくできているようで、遣唐使船のような吃水の深い船が登場するまでは、ラグーンになっている場所が港として好まれていた状況が再現されています。
古代の船に関する記述も興味深かったのですが、如何せん、丸木船や筏船は遺跡として残りにくい上に、残っていても建造物としての形を保っておらず船とは分からないそうなので、推測でしか語れないのが残念ですね。
それにしても、日本列島周辺にある島々の遺跡から、縄文時代から船による行き来があったことは確かなのですが、その時代に造ることができたであろう丸木舟や筏船で、あれだけの距離をどうやって走破できたのか、不思議で仕方がないです。
しかも犬や猪を船に乗せて連れて行っているそうなのですが、食料も載せることを考えると、かなり大きな船でなければ行くことは無理ですし。
どう考えても、縄文時代には、現代人が創造できない特殊な技術で大型の船を建造していたとしか思えないです。
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