2021年12月19日日曜日

麒麟児 / 冲方丁

幕末に勝海舟が奮闘する物語です。

勝海舟という人は、かなりの大洞吹きという話もあって、胡散臭い人なのですが、冲方氏はそこの事情を巧くまとめていて、成程そういうことであれば勝海舟を悪くいう人が大勢いるのは宜なるかなという気がします。
本当のところは、幕末のどさくさでまともな記録が霧散したり改竄されたりしているので、分かりませんけどね。
朝廷と幕府だけではなく、英吉利を始めとする諸外国なども介入していて、しっちゃかめっちゃかな状態だったから、仕方がないのですが。
そういうぐちゃぐちゃの状況の中で、よく日本が諸外国の植民地とならず、しっかりとした独立国としての立場を守れたものだと、感心するしかないです。

それはさておき、冲方さん、時代劇作品ばかりにかかっていないで、マルドゥック・スクランブルをさっさと片付けてくれないものか。

 

戦争獣戦争 上・下 / 山田 正紀

 

神狩り2以来なので、11年振りに氏の作品を読むことになります。
相変わらず難解ですわ。
高次元の生物という時点で、そもそも人類には理解不能なものなのですが、生物ではなく死物となると、更に意味不明です。
そういう点で言うと、氏も消化しきれず表現しきれていないんじゃないかという気もしますが、時間を飛び越しながら、最後には辻褄がちゃんと合うところが流石です。