2013年4月12日金曜日
コロロギ岳から木星トロヤへ / 小川一水
語り口はドタバタコメディですが、内容はかなりヘヴィなハードSFです。
時間というものがどういうものかを考えると頭が痛くなるのですが、この小説ではそれを上手く利用して仕立て上げられています。
クスクスと笑いたい気持ちを抑えつつ、時間についての描写をどう理解したらいいか悩みつつ、一気に読んでしまいました。
2013年4月11日木曜日
Live at the BBC / Status Quo
英吉利のロックバンドにとって、BBCのスタジオライブは特別なものだと思います。
実際英吉利を中心に活躍する人気ロックバンドは、まず間違いなくBBCライブをやっています。
で、英国で絶大なる人気を誇るStatus Quoは、かなり頻繁にBBCライブをやっていて、このアルバムは長年に渡るBBCでのライブ音源をダイジェスト的に2枚組にまとめたものになっています。
内容は不明ですが、Live at the BBC: Deluxe 4 CD Box
1枚目の方の冒頭には、Status Quoというバンド名になる以前の時代の曲が3曲含まれています。
66年から2005年までの40年間に渡る音源をダイジェスト的にまとめられていて、その時代毎の変化がよく判ります。
70年頃までは、典型的なグループサウンズですね。
ブギーの帝王として相応しい雰囲気になってくるのが、72年頃から。
ちょうど私がStatus Quoというバンドを知る直前ですな。
世界的な人気が出てくるのがこの頃ってことでしょう。
2枚目は73年、88年、92年、96年と絶頂期の4回のライブが収録されています。
この頃になるとどれもほとんど変わらない。
いや、新しい程演奏はうまくなっていってますね。
録音技術もよくなっているのか、音もよくなっていっているし。
Status Quoの歴史を知りたい方にはお薦めです。
2013年4月9日火曜日
SKYFALL 007
直訳すると「空が堕ちる」なので、巨大な人工衛星を落っことすのかと思ったら、James Bondの生まれた土地の名前だという落ち。
007映画の50周年記念作品ですが、冒頭からいきなり激しいカーチェイス、バイクチェイス、列車上のアクションの連続で始まります。
途中で廃墟になった島でのシーンが出てくるのですが、香港周辺にあんなところあるのか?と思ってたら、タイトルロールで「長崎 軍艦島」と日本語で出てました。
最後の方で、Bondの愛車DB5が登場しますが、めっちゃええエギゾーストサウンドを聴かせてくれます。
私的には本作の目玉はこのサウンドですね(爆)
Aston Martin本社のリペアショップで調整したんでしょうかね?
なんだかんだでもう45年くらい前のクルマだから、部品もろくに残ってないでしょうし、コンディションを維持するのは大変なはず。
最後に炎上してしまいますが、レプリカというか1/3サイズの模型だそうです。
走行シーンの方は、本物だと思うんですが...どうなんだろう?
実際に走行可能なレプリカがあるなら欲しいぞ(笑)
後、本作の撮影はArriで行われているそうで、ということはCarl Zeissレンズ使用ですね。
Panavisionの映りとは、やはりシャープ感が違って、Arriの方はカリカリにシャープな描写だ。
こと動画に関しては、Panavisionの柔らかな映りの方が、目に優しく見やすくて好きだな。
2013年4月7日日曜日
秀長さん / 鞍馬良
豊臣秀吉の弟、秀長の生涯を追った小説、というよりは解説書みたいな感じです。
特に目新しい説とかは取り入れていなくて、一般的な説に基づいて秀長の生涯を淡々と説明しています。
秀吉の陰に隠れてあまり目立たず、小説でも堺屋太一氏が取り上げているくらいです。
(堺屋氏の作品はNHK大河ドラマの原作になりましたが、ドラマでは秀吉が主人公に替えられていたし)
秀吉に懇願されて家臣となって以来、ずっと秀吉と共に行動しているので、ほぼ秀吉の生涯=秀長の生涯でもあるので、小説的には秀吉の生涯を描いたものと内容的には同じになってしまうんですよね。
秀吉が行ったと言われることの大半は、実際には秀長のしたことという説もあるのですが、本作では特にその辺りを強調したりとか説明したりというのは、ほとんどありません。
ただ、非常に人当たりがよく、接した人々からは常に信頼をされ頼りにされていたことが描かれています。
秀長の直臣に藤堂高虎がいるのですが、秀長に才を見出されて取り立てられ、秀長が亡くなるときには家老を務めていた人ですが、この人は何回も仕える主を替えたことで有名です。
それが秀長が存命中は、ずっと秀長に忠実に仕えているんですね。
主を何回も替えるのは秀長の亡くなった後のことで、秀長以上に高虎が使える気になる人物は他には(最終的に大名として仕えた徳川家康以外)いなかったということでしょうね。
登録:
投稿 (Atom)