前作「黒暗森林」編で人類の窮地は救われ、この後を続けられるのか?と思っていましたが、今回の「死神永生」では後半でいきなりスケールが巨大化します。
途中までは、これは共産党政府の一路一帯を始めとする強硬政策への批判を暗に含んでいるんじゃないのか?と思ってしまいましたが、そういうことではなさそうです。
他人への思いやる優しい心が人類を危機へと陥れてしまう件は、愛は人類を滅ぼすというつもりなのか?と思ってしまいましたが、その後の展開で、これも違いました。
作者は読者の裏をかき続けてくれます。
前半は、読み進む速度が遅々としていたのですが、後半に入ると読む速度が物語の時間の流れと共に加速して行きました。
これだけの規模のハードSFは、日本SFだけでなく欧米のSFでも例があまりないですね。
欧米で話題になるのも納得です。
理論的には無理が多いかなと思いますが。