2017年6月7日水曜日
名刀に挑む 日本刀を知れば日本の美がわかる / 松田 次泰
古刀の再現とそれを超える作刀を目指されている刀匠が、日本刀と日本文化について語った一冊。
日本刀は鎌倉が最高で、その後は美術品としての価値が落ちていく。
鎌倉に戻ることを目指して、江戸時代から多くの刀匠が挑戦しているけども、まだ再現できた刀匠はしないそうで。
かなり昔に、ある刀匠の方が、鞴の技術が進んで温度が上げられるようになったのが原因として、わざと温度の上がらない状態で作刀をされている方がいました。
この方も同じようなことをされて、かなり近いところまで来られているようです。
そこから先は、材料になる玉鋼の問題なのか、何なのか。
今の日本では生産性を重視して、西洋式の溶鉱炉を使った鉄を盛んに作っていますが、それだと結局はコスト競争で韓国や中共に負けている状況です。
それよりも錆びに強い、和鉄の良さを見直して、蹈鞴製鉄をもっと増やすべきとの論を唱えられています。
日本刀も世界的に人気で、購入を希望する人が多いらしいですが、日本の刀匠が作刀したものはなかなか手に入らないので、中国、韓国、タイなどで作られた日本刀っぽいものが大量に出回っているんだとか。
とても日本刀とは呼べない質の悪いものばかりだそうですが、それを日本刀だと思われたら、日本の恥になるんですよね。
日本では一人の刀匠が作刀できるのは、年間24本と制限されており、そのために刀匠の方々は収入が制限され、後継者を碌に育てることもできません。
是非とも、日本の誇りである日本刀の普及に、政府が力を入れて欲しいものです。
2017年6月5日月曜日
ローガン (LOGAN)
ローガン公式サイト
ウルヴァリンではなくローガン。
不死身のウルヴァリンのはずが、体内に埋め込まれたアダマンチウムの毒素によって、再生能力が失われていき老化して…後は映画をご覧下さい。
ローガンというタイトルであるのも、超人ではなく人間としての彼を描いているからでしょうね。
主演のヒュー・ジャックマンさん、劇中でずっと足を軽く引き摺った歩き方をしてるんですが、インタビューを読んだ感じでは演技みたいですね。
ずっと演技でああいう歩き方や走り方を続けるというのもかなり大変だったんじゃないかと思います。
ヒュー・ジャックマンさんは、昔から味のある演技をする俳優さんで、私は大好きなのですが、こういう細かいところも上手いなぁと、今回は特に感じました。
ウルヴァリンではなくローガン。
不死身のウルヴァリンのはずが、体内に埋め込まれたアダマンチウムの毒素によって、再生能力が失われていき老化して…後は映画をご覧下さい。
ローガンというタイトルであるのも、超人ではなく人間としての彼を描いているからでしょうね。
主演のヒュー・ジャックマンさん、劇中でずっと足を軽く引き摺った歩き方をしてるんですが、インタビューを読んだ感じでは演技みたいですね。
ずっと演技でああいう歩き方や走り方を続けるというのもかなり大変だったんじゃないかと思います。
ヒュー・ジャックマンさんは、昔から味のある演技をする俳優さんで、私は大好きなのですが、こういう細かいところも上手いなぁと、今回は特に感じました。
2017年6月4日日曜日
人はどのように鉄を作ってきたか 4000年の歴史と製鉄の原理 / 永田 和宏
著者は鉄冶金学の博士で、蹈鞴製鉄を中心として製鉄の研究をされている方で、本書が一般向けの著作としては初めてのもののようです。
が、この本の内容の濃さは凄いです。
今まで蹈鞴製鉄についての本は何冊か読んできましたが、ここまで詳細に科学的に解明され、説明しているものは初めてです。
更に日本の製鉄だけではなく、欧州の古代製鉄や、今でも残っている古い製鉄方法による農家製鉄というものも実際に見学され、解説されています。
日本の蹈鞴製鉄というのは、日本独自のものなのですが、何故独自のものになったかも解説されています。
ある意味、日本は資源に恵まれていないからなのですが、逆にそれが日本刀が日本独自のもので、半島や大陸で生まれなかった理由もよく判ります。
以前から疑問に思っていたのが、現代に残っている蹈鞴製鉄では、日本刀を製作するための鋼鉄だけが作られていて、鍋や釜を製造するような鋳鉄が作られていないのですよね。
日本刀が大量に製造された室町時代には、同時に鉄製の鍋や釜も大量に製造され普及しているので、蹈鞴製鉄の副産物として鋳鉄も作られたのではないだろうかと想像していたのですが、当たっていました。
明治初期頃までの蹈鞴製鉄では、鋼鉄と鋳鉄を同時に同じ量が同時に生成できていたそうで、長年の疑問があっさりと解消されました。
現代の西洋式のコークスを使った溶鉱炉では、燐や硫黄という鉄を脆くする元素が多くなるのですが、木炭を使った蹈鞴のような方式だと量産性が低くなります。
これの両者のいいとこ取りをした製鉄方法を考案され、本書末尾でも披露されています。
これが日本の製鉄会社で実用化されると、日本の製造業が復活できるきっかけになると思うのですが…。
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