2015年2月28日土曜日

最終回答 日本古代史 / 八幡和郎



以前、この方の著書を読んだ時にはかなり独断的憶測ばかりだなと感じたのですが、今回は割とまともです。
まあ、だろうで断定する箇所が多いのは相変わらずですが。

非常に興味深いことが1つありました。
遣隋使の小野妹子の祖先に「天足彦国押人命」(あまたらしひこくにおしひこのみこと)という人がいるそうです。
随書倭国伝で、当時の日本の大王の名前が「阿毎 多利思北孤」(アメ タリシヒコ)とあり、聖徳太子のことというのが通説ですが、小野妹子の説明を通史が間違って伝えたのだ、と指摘されています。
これは十分にあり得ることですね。

2015年2月22日日曜日

ぼくらは都市を愛していた / 神林長平



氏の文庫本がハヤカワ以外からというのは珍しいですね。ないこともないですが。
人間の意識と現実ぬついての物語。
2つの世界の話が交互に進んでいくのですが、どこでそれがどう一致するのだろうと思いながら読み進めて行くと、半分を過ぎた辺りで兆しが見え始めます。
これ以上説明するとネタバレになってしまうので、止めておきますが、神林氏の世界が最初のページから最後のページまで、見事に展開されています。
神林ワールドの中毒者は、読まないわけにはいかない一冊です。