2018年1月6日土曜日

キングズマン ゴールデン・サークル

キングズマン ゴールデン・サークル公式サイト

シリーズ1作目のキングズマンの感想をどう書いたかなと見直そうと思ったら、どうも書き忘れていたっぽい。
今回はエルトン卿が、エルトン・ジョン役(要するに自分の役を自分で演じてる)で登場していますが、ええ味だしてます。
The WHOのTommyでもコミカルな役を演じてましたが、そういうのが好きなんでしょうね。

ハル・ベリーさんが、久々にスクリーンに登場というので、どう活躍されるのかと期待していたのですが、別にハル・ベリーさんでなくてもええやん、程度の役柄で…なんか寂しい。
ストーリーがかなりバタバタなコミカルなものになっていて、1作目のシリアスさがどこかへ行ってしまった感じがします。
それなりにシリアルなシーンはあるんですが。

MFゴースト / しげの 秀一



雑誌の連載を見た時に、しげの氏の絵が一段と下手になったなと…元々人物は上手い人ではないですが…でもクルマはキチンと描かれているのがなんとも。
舞台は今から10年後くらいの、自動運転の電気自動車ばかりになった世界。
(10年くらいでは、そんな世にならないと思うけど、まあそこは漫画だから)
そんな世界で、運転の巧さを競う連中が生き残っているという設定。
1巻の後半で、頭文字Dの続編であることが仄めかされます。

首都高SPL / 楠 みちはる



湾岸MIDNIGHTの続編的なストーリーですね。
今や絶滅寸前の首都高走り屋の生き残りチューナーが主人公。
こういうのを読んで胸がときめくのは、かなりのじじいだけになってると思いますが、楠氏もこういうのを描ける(雑誌で連載できる)のは、もう最後ですかね?
現代が舞台ですが、今の電子化が進んだクルマをチューニングする難しさも、早々と語られています。
でも実際、今のクルマは昔のエンジンだけが電子制御されていたのとは異なり、エンジン、ミッション、ブレーキ、ステアリングが総合的に協調制御されているので、どこか一カ所だけ弄ると他とのバランスが崩れてしまうんですよね。

2018年1月3日水曜日

古代の朱 / 松田 壽男



朱というのは硫化水銀で、一般には印鑑を押すときに使う朱肉として知られていますね。
(もっとも、現代では水銀の使用が一般には禁止され、朱肉も退色性の低い模造品になっていますが)
日本では縄文時代の漆塗りにも、天然の硫化水銀である朱砂による赤塗装が、防水性を必要とする箇所の木材に施されており、非常に古くから利用されています。
にもかかわらず、本書の冒頭で書かれているように、朱砂について書かれた書籍や歴史書は殆ど見たことがありません。
日本中に、この朱砂の産地を意味する「丹生」という地名や、これが元になったと思われる地名も数多くあるのですが、平安後期辺りで日本の朱砂は取り尽くされたのか、古代日本では朱砂が大量に取れたことが忘れ去られてしまったようです。
(実際、漆塗りに使われた硫化水銀は全て大陸からの輸入品で、日本では一切産出しないという説も、嘗てはあったようです)
また金鉱山から品位の高い(要するに銀や銅を含まない純金)を得るには、水銀を使った水銀アマルガム法が一番で、古代日本での金精製もこの手法で行われていたらしいのですが、ちゃんとした文献資料が残っていない(古代では水銀を使った金精製というのは当たり前すぎて誰も資料として書き残さなかったのか、実際に金精製を行っていた職人集団は身分が低くて文字の読み書きができなくて書き残せなかった)ので、現代の歴史家はガン無視ですが。

土地の名前が本来の意味が忘れられて変化していく様や、神社の神様が変質させられていく様を解明されていることに関しては、ひたすら成る程と感心させられました。
日本の伝統が、如何にいい加減なものかってことなんでしょうけど。

工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史 / 倉山 満



工作員というのは要するにスパイなわけですが、西郷隆盛の場合は様々な人と交流して最新の情報を正確に得る情報員だったということですね。
大河ドラマで西郷さんが取り上げられることになったため、西郷さんについての書籍が大量発生中ですが、肖像画も残っていない(残っている肖像画は会ったことない絵師が想像で書かされたもので、実物には似ても似つかないらしい)くらいで、実は正確なところはよく判ってないんですよね。
よく判ってないから、色んな推測が出来、色んな説が百花繚乱し、色んな姿や物語が描かれると。
倉山氏の描く西郷さんは、有能な情報部員として活躍しています。
工作員というとテロリストを思い浮かべる人も多いかも知れませんが、西郷さんはかなり目立つ見た目(身長が高く筋骨隆々で彫りの深い顔)だったそうなので、秘密裏に破壊工作を行うのには向いていないのです。
むしろ、会った人が忘れられない風貌と圧倒する迫力で、人をたらし込み心を掴むことを得意としたようです。
そのせいか、色んな説があっても、朝廷、幕府、薩摩、長州など敵味方双方から尊敬と信頼を得ていたことは共通しています。
そういう信頼の高い人が、時代を見えない上司のせいで島流しにあって、活躍できない時期が長かったことが、後々の日本の不幸に通じている…。
如何に実行部隊が有能でも、トップが阿保だとどうにもならない、といういい見本ですね。

2018年1月1日月曜日

【くるまのおと】福野礼一郎 新車インプレ2017



昨年7月に発刊されていたことを年末になって気が付いて、購入しました。
書店店頭では見掛けなくて、Amazonのお薦めにも上がって来なくて、雑誌とかの広告にも出ていなくて…。
こういう精密な写真をたっぷりと使った書籍は、もう売り上げが全然上がらないから、宣伝もあまりできないということなのかも知れませんが、余計に売れなくなるよね。

いつもながら、正確に評価しようとする姿勢とレポート内容は秀逸です。
メカニズムや製造方法をキチンと解説し、それがどういう効果や意味を持つかを解説できる評論家も、他にはいませんし、福野礼一郎氏が書いた記事というだけで、読む価値があります。

でも今の世の中、キチンとメカニズムを説明しても理解できる読者が絶滅寸前なんですよね。
MotorFanも、復刊Vol.009で終わってしまい、Vo.010は発刊されないままですし。
技術立国としての日本は、もう既に終わってるということなんでしょう。