2019年7月3日水曜日
卑弥呼の葬祭 :―天照暗殺― / 高田 崇史
カバー裏の「高田 崇史の本」で毒草師シリーズと並んで表記されていて、冒頭の方で毒草師の名前が出ていたので、本書もそうかと思ったらQ.E.D.シリーズの外伝でした。
高田氏ならではの切り口で、邪馬台国と卑弥呼の謎、古事記と天照大神の謎を解かれています。
天の岩戸が鍵になっているのですが、ここの場面で私も子供の頃から疑問に思っていた「力の強い手力雄がやっとのことで開けた岩戸を、天照大神はどうやって開け閉めしたんだろう?」という疑問への回答が本書にはありました。
それもあり得るなと思います。
「天照」と書いて「あまてる」と読む場合と「あまてらす」と読む場合があって、「あまてる」は男神で「あまてらす」は女神です。
そこを日本書記と古事記は、意図的なのか意図せずなのか、混同してなし崩し的に「天照大神」は「あまてらすおおみかみ」という女神ということにしています。
でも記紀には女神であるとははっきりとは書かれていないそうなので、後世の学者さんが思い込みで女神ということにしちゃったんでしょうね。
天皇家の祖先の大元が女神なら、男系のみ皇位を継承できる、というのが意味のないものになりますし。
2019年6月30日日曜日
東大法学部という洗脳 昭和20年8月15日の宮澤俊義 / 倉山 満
サブタイトルに「昭和20年8月15日の宮澤俊義」とありまして、東大法学部教授の宮澤氏の説が現代日本の憲法解釈の基準になっていることについて、述べられた書です。
素人の私から見たらこの宮澤氏は、その時の権力者に都合のいい法解釈を捻り出すのが上手い御用学者、にしか見えないのですが、現代日本の法学者の先生方に取っては神聖にして冒すべからずな法解釈の権威になっているようです。
法学だけではないですが、日本の学会の権力構造というのは非常に歪なものになっていて、先人を否定することは一切許されない、旧帝国大学の教授の言うことは絶対的な正義である、という暗黙の決まり事があるようで、そこから外れたことをすると学会を追放されることになっています。
にしても、この宮澤という先生は、非常に頭のいい方のようで、各国の憲法を深く研究し理解した上で、理屈を構築されているようで、その巧妙さにはその辺の(ろくに他国の憲法を読んだこともない)先生方では論破できないそうで。
自国の憲法がどうあるべきかも議論できない呪いを、宮澤氏にかけられてしまった日本は、これからどうなるのか。
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