2017年7月8日土曜日
槐 / 月村 了衛
日常が戦場に変わる。
これからの日本で、こういうことが起こる可能性が…洒落ではなくあります。
戦場になった舞台の地図を作成して、登場人物がどう動くかをキチンと検討してストーリーを構築したそうで、そのためかイヤにリアルなんですよね。
文章のスピード感も凄くて、分厚い本なのにあったいう間に読み終えてしまいました。
こういうところは、本当に上手い作家だなと思わされます。
2017年7月3日月曜日
戦艦大和誕生: 西島技術大佐の未公開記録(上・下) / 前間 孝則
もう少し技術的な詳細が述べられているかなと思ったのですが、苦労話が中心になっていて、これを読んで西島式工程管理術を会得するのは無理でした。
それにつけても、昔も今も技術者の考え方とかやり方は変わってない、ことと、官僚とか技術を知らないけど権力を持っている連中のアホさ加減も、昔も今も変わってない。
現場がどんなに優秀でも、指導者がアホだとどうにもならないのがよく判ります。
それにしても、当時の軍官僚の無能さは、本書の中で当時の技術者が上層部からの要求は、冒険空想小説のできごとが実際に実行可能と思っている、と述べられていますが、今の官僚の描くシナリオも同じレベルですものね。
本書の最初の方で、各設計者がバラバラに設計するからパイプ一つ取っても、材質も系も肉厚も加工方法も違うものを使っていたのを、できるだけ同じものを使うようにして、コストや工数を減らした話が出て来ます。
今なら、こんなことは製造業であれば常識で行っていて当たり前…といいたいところですが、実際には今でもこういうことを理解できない設計者っているんですわ。
ハードウェア(機械、電機に関わらず実体のあるもの)製造だと、まだ製造部(工場)や部品の購買から文句が来るから、自然と正されることが多いですが、中小企業だと正されずにそのままになることも多いです。
ましてや、ソフトウェアになると、標準化とか共通化(ライブラリ化)をいくら唱えても、1000行の関数をコピーして1行だけ書き換えて専用関数を作って、ということをみなさん平気でやってくれて、後からメンテナンスを頼まれた時に(以下省略)
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