2007年9月29日土曜日

【D3コラム】 Nikon Digital Live 2007 大阪

D3に触りたくて仕事休んで(爆)行って来ました。
13時ちょっと前に会場に到着し、即体験撮影コーナーへ。30分弱並んだところで順番が回って来まして、ブラケット設定してCHにて連写しました。持ち時間1分ですが、ラチュードを確認できる画像が撮れたことを背面画面のヒストグラムで確認できたので、30秒で切り上げてプリントして貰いました。
メニューをじっくりといじっている時間はないので、渡されたままのプログラムオートで撮影しましたが、操作周りはD2HやD200とほぼ共通のS5Proから差程変更はなく、既存のニコンユーザーであればすぐに使いこなせると思います。ホールド感はD2Hによく似ていて、違和感なくシャッターが切れました。
凄いと思ったのは、連写していてボディが全然動かないこと。D2Hは結構ミラーショックでボディが微妙に暴れるのですが、D3はビシッと安定していて連写中の構図が動かないので非常に気持ちがいいです。D2XやF6から既にミラーダンパーが入っていると思いますが、私が今まで使ってきたニコンボディ(D1X, D2H, Fuji S2/S3/S5)にはないので、新鮮でした。

撮影体験コーナーのモデルさんが黒いベルベットの服を着ており、後ろにスタジオ用のギリシャ様式大理石風の純白柱のセットが置かれており、両方を画面に入れると皆さんがよく気にされる白飛び黒潰れを確認できるように仕立てられておりました。プリントして貰ったカットでは若干黒が潰れていますが、たぶんRAW現像で調整すればきちんとトーンが出ると思います。白飛びは全くなし。
#ちなみにライティングはArriのビデオライト4灯。
同じカットをD2Hで撮影したら間違いなく、黒も白も完全に飛んでディテールがでないと思います。S5Proなら両方ともちゃんと出るシーンだとは思いますが、大幅に越えるところまでは行かず、同等程度ではないかと思われます。
ちょっと残念なのは、オートだと私基準で露出が1EVアンダーになることですね。まあ私はどうせオートなんか使わないし、D1X/D2Hがオートだと2EVアンダーになることに比べたら問題ないのかも知れませんが...オートで使っている人達が何故問題にしないのか不思議です。
ブラケット設定して確認したのですが、ヒストグラムが綺麗に出るのは基準値から1EVオーバーになったところで、プリントはそのカットをして貰いました。
プリントもヒストグラム通りで、白が飛ぶ直前黒が潰れる直前で、狙い通りでした。逆にいうとオートで補正なしだと黒潰れてます。白飛びを嫌ったせいですかねぇ?画像処理で補正する時は、アンダーな方が誤魔化しやすいのは確かですが。ニコンがキヤノンに比べてノイズが多いといわれる原因は、ここにあるのではないかと思ったりしてます。
センサー単体が展示されていたので、じっと見つめてみましたが、やっぱり真ん中に切れ目らしき線がうっすらとありました。一部の噂で、新しいニコンの液浸露光装置なら1回で露光できるのでは?というのがありましたが、見た感じではやっぱり2回露光っぽかったです。
その後そのまま行き付けのカメラ屋さんに行き、プリント見本を店員さん達に見せて「S5Proがもういらないです」と報告。「D2HとS5Proを下取りに出しますんで、よろしく」と予約の再確認と1stロット確保の念押しをして帰って来ました。

2007年9月25日火曜日

【D3コラム】 フルサイズ(FX) VS APS-C(DX) その3

フォーマットサイズが変わると、まずレンズの焦点距離と画角の関係が変わります。35mmフォーマット用レンズをAPS-Cサイズのデジカメに使用すると、焦点距離50mmレンズは35mm換算で約75mmになるといいますが、これは焦点距離50mmレンズをAPS-Cフォーマットで使った場合の画角が、35mmフォーマットで焦点距離75mmレンズを使った場合の画角に等しいということです。
逆に35mmフォーマットで焦点距離50mmレンズを使った場合に等しい画角を、APS-Cフォーマットで得るには焦点距離約33mmのレンズが必要になります。3/4フォーマットなら焦点距離25mmレンズが必要になります。
次にF値と被写界深度の関係が変わります。同じ画角のレンズを使った場合、同じ距離で同じ物を撮影して、同じ被写界深度を得ようとすると、フォーマットサイズが小さい程明るいF値が必要になります。
35mmフォーマットで50mm/f1.4を使用したときと同じ被写界深度を得ようとすると、APS-Cフォーマットでは33mm/f1.0、3/4フォーマットなら25mm/f0.7が必要です。
#誰もこのことは知らんぷりで無視していますけどね。
つまり35mmフォーマットで50mm/f1.4を使用したときと同じ絵を得ようとしても、現在一般に市販されているレンズでは、APS-Cや3/4では不可能ということです。これがあまり問題視されないのは、恐らく一般のアマチュアはほとんどがF値の暗いズームが常用なことと、プロはこういう被写深度の極端に浅い撮影はあまりしないことが理由ではないかと思われます。極僅かに必要とする人は、高額な1Dsシリーズとかもっと高額な中判デジタルを使うか、銀塩を使っていますしね。




よく「APS-Cデジタルは35mm用レンズの真ん中の性能の高い所だけ使うから、35mmフルサイズよりも画質がよい」と言われる方がいるのですが、これはレンズの性能の一部しか見ていないです。
同じ被写体を同じ倍率で撮影した場合、空間周波数がAPS-Cフォーマットでは35mmフォーマットの1.5倍になります。35mmフォーマットでは10本/mmのものがAPS-Cフォーマットでは15本/mmになります。ちなみに3/4では20本/mmです。
これは35mmフォーマットでのレンズの10本/mm特性が、APS-Cフォーマットだと15本/mmで出ていなければ同じ描写にならないということです。シャープさというか分解能が高いと感じるのは、35mmフォーマットで40本/mm領域のMTFが高い時なのですが、APS-Cフォーマットでは60本/mm領域のMTFが同じくらいないと分解能が高く見えません。実際にはこの2つの領域のMTF値の差はかなり大きくて、35mm用レンズを使用した場合、60本/mmのMTFはかなり低くなります。
先に書いた焦点距離F値と合わせていうと、35mmフォーマットで50mm/f1.4の10,20,40本/mmのMTF値と同じ特性を、APS-Cフォーマットでは33mm/f1.0の15,30,60本/mmで実現しなければ、35mmフォーマットと同じ画質にはならないのです。
更にD3/D300の画素ピッチから計算すると、ローパスフィルタの影響を無視して、D3では60本/mm以上は写りません。D300では90本/mm以上が写りません。逆にいえば、D3では60本/mmまで十分に高いMTF値を確保すればよいのですが、D300では90本/mmまで高いMTF値を保つ必要があります。
ニコンのレンズカタログには10本/mmと30本/mmのMTF値が掲載されていますが、ほとんどのレンズで10本/mmより30本/mmの特性が落ちているのは判ると思います。またコシナZeissのZFレンズカタログには、10,20,40本/mmのMTF特性が掲載されていますが、順にMTF値が落ちていくとことが判ると思います。
これらから60本/mmや90本/mmがどの程度がというのは、外挿方によって類推できると思いますが、90本/mmというのはお話にならないくらい低い値になっているはずです。
つまりAPS-Cフォーマットで、35mmフォーマットに匹敵する描写を得ようとすると、CCD/CMOSのセンサー特性以前にレンズの特性を大幅に改善する必要があるのです。
個人的には本当は、更にセンサーサイズの大きな中判デジタルが欲しいのですけどね。以上で述べた理由で、フォーマットが大きければ大きい程レンズの低周波数領域を使うことができ、低周波領域であればある程MTF値が高くなり、MTF値が高ければ高い程階調の滑らかで豊かな立体感がある画像が得られますので。
ニコンの半導体製造装置が広まって、現在は6回露光しているという中判センサーの露光回数が減って、コストダウンしてくれればと願っています。

2007年9月24日月曜日

【D3コラム】 フルサイズ(FX) VS APS-C(DX) その2

センサーの性能にのみ着目すれば、APS-Cや3/4などの小型サイズよりも大型サイズの方が性能的には有利です。
同じ画素数であれば、1画素当たりの面積が大きくなり、面積が大きい程に高感度、広ダイナミックレンジ、低ノイズになりますから。1画素当たりの面積が同じであればトータルの画素数が多くなり、印刷などの最終出力のサイズが同じ時は、元画素数の多い方が階調が豊かで滑らかな画像になります。
D3は1210万画素とD300の1230万画素よりも有効画素数が少なくなっていますが、画素ピッチは8.45μmとD300の5.5μmの約1.54倍になっており、これから画素面積は2.3倍程大きいことが判ります。
このお陰で、D3はISO6400でも十分に実用になるくらいに低ノイズかつ広ダイナミックレンジを実現しているようです。D2Xでも約12EVという広いダイナミックレンジを実現しており、それを遙かに凌駕するようですので、Fuji S3/S5 Proの約14EVとも15EVともいわれるダイナミックレンジに匹敵するかも知れません。
#もしそうなったら、S5Proもお払い箱だぁ〜。
#D2Hは当然下取りに出す予定ですが。




D3の画素数があまり多くないのは、もう一つにはその1に書いた分割露光の時の分止まりから画素ピッチをあまり小さくできなかった、という技術的なものがあるのではないかと思われます。実際キヤノンでは1Dsが有効画素1110万画素ですし、5Dも有効画素1280万画素ですから、初めて量産するには、この程度の画素ピッチが適当ということなのではないかと思います。下手に画素ピッチを小さくして総画素数を多くしても、分止まりが悪くなって価格が高くなることをニコンは避けたのでしょう。
実際、D2Xが発売時には50万円前後の販売価格でした。D3は現在予約価格55万円前後のようですので、センサーの大型化によるコストアップは最小限と言ってよいと思います。D1 MarkIINが45万円前後に対してD1s MarkIIが75万円前後と30万円の価格差があるわけですから、実際にユーザーが購入できるギリギリの価格を、ニコンは目指して実現したと言ってよいでしょう。
とはいえD300の予約価格が21万円程度なので、これと比べるとFXとDXの価格差は35万円程あることになりますけどね。D1 MarkIINとD1s MarkIIは同じボディベースを使用していますけど、D3とD300ではボディベースが全く違いますので、ボディベースの違いで大半のコストアップ要因になっていると思います。センサーが大型化すると、シャッターが大型化し、ミラーが大型化し、ファインダー光学系が大型化し、とコストアップ要因は多岐に渡りますから、仕方がないのでしょうね。
その価格差を埋められる程、高感度、広ダイナミックレンジ、低ノイズ性能が必要になるかといえば、一般の人にはたぶん必要ないでしょう。だからニコンはこれからもDXは作り続けることになるでしょう。
でも世の中には1割の性能アップを、価格が倍になっても欲しい、という用途があるのです。
それはさておき、その3でフォーマットサイズとレンズとの関係を書きたいと思います。

2007年9月23日日曜日

【BMW雑記帳】ダンパー

BMWに使われているダンパーは、最近はSachsがほとんどで価格が安い車種だとBoegeなのですが、Boegeもかなり前にSachs傘下になってるので、結局は全部Sachsですね。そのSachsも今はMT/ATのZFに買収されて子会社になっているとのこと。つまりはBMWの技術の大半は、ZFとBosheに依存していることになってしまっています。
昔はBMWを始めとするドイツ車のダンパーといえばBilsteinでしたが、ドンドンとSachsに置き換わってきているようです。
Bilsteinといえば倒立型ダンパーが有名ですが、OE装着用には複筒式を納入することが多くて、アフター用でも複筒式を製造販売してます。私は今ビルの複筒式ダンパー使ってます。
倒立式というのはラリーのような激しい走りをして、ストロークが大きく入力も大きい場合には有効なのですが、通常の公道での走行や綺麗な舗装路でストロークが小さい場合には、(倒立式の欠点である)微小入力時のフリクションの大きさが目立ってしまい、乗り心地が悪化してしまうようです。
またSachsは、シール材に特殊なプラスチックを使っていて、初期動作が非常にスムーズになっているそうです。これがBilsteinや日本のメーカーが真似できずにいて、ドイツ車メーカー各社は、こぞってSachsを採用する理由となっているのだそうです。

日本のダンパーメーカーでも、ショーワのようにF1に搭載されたりしているところもあるので、技術的には欧州メーカーに負けないものができるようではありますが...日本のメーカーはコスト管理が厳しくて、乗り心地のいいけどコストが掛かるダンパーはまず採用されませんので、結局欧州メーカーに負けてしまうということになっているようです。
普通車の売り上げが減り、軽自動車のシェアが増えている日本の状況では、高くてもよいものをというコンセプトでは生き残って行けなくなってきていますからねぇ。まあそれは昔からではあるのですが。



それはさておき、家の子は最近アクセルONしてからGを感じるまでのタイムラグが、また大きくなってきました。そろそろまたエンジンオイルとATFを交換しないと駄目なようです。ATがちょいと滑ってきている感じ。スパークプラグも、イリジウム・タフにしていますが、寿命が公称5万kmだったと思うので、装着後4万kmになってきたため性能が低下している可能性もあり、こちらも交換かなぁ。
その前に残量2mmのブレーキパッドを交換しないと(苦笑)


Sandisk Extreme IV

上新で比較的安い値段で数量限定バーゲンしていたので、4GBを1枚買ってきました。
S5Proでバッファフル状態から空になるまでと、IIIと比較してみましたが、S5Proがx300倍速には対応していないせいか、あまり変わらず。若干は確実に速いですけどね。
雑誌の記事を見ると、D3/D300ではIIIとIVの速度差が結構あるので、D3待ちですね。

USBカードリーダーに挿入して、HDBenchで速度測定したところ、読み出しはIIIと変わらないのですが、書込は断然IVの方が速いです。シーケンシャル書込が読み出しと変わらない速度!
最近はCFカードをPCのHDD代わりに使えるアダプタが出てきていますが、これを使ったらどれくらいのパフォーマンスが出ることか、ついつい期待してしまいそうです。