2017年3月10日金曜日

忍者の兵法 三大秘伝書を読む / 中島 篤巳



戦国期から江戸時代に書かれたと推定される忍者の極意を記した秘伝書を、現代語訳で紹介しつつ、その内容の解説を行ったものです。
忍者というとアニメの影響で、滑稽無糖なものという認識を現代日本ではされていますが、実際の忍術というのは非常に現実的で有用なものなのです。
現代においても、米軍特殊部隊の教官が日本の忍術宗家の所に定期的に教えを受けに行っているくらいで、非常に有用なものなのです。

日本において忍者が文献に登場するのは、聖徳太子が「志能便(しのび)」を使っていたそうです。
天武天皇は唐人の助言により間諜を使ったということで、それからすると逆説の日本史で「天武天皇は忍術が使えたことになる」と解釈されていた件は「天武天皇は忍者を使っていた」と解釈する方がよさそうです。
源義経に従っていた伊勢三郎義盛は忍者だったそうで、義経は鞍馬山で鴉天狗に武術を習ったという伝説がありますが、忍者に教わっていたと考えるのが妥当で、実際義経の戦い方はその頃の鎌倉武士の兵法からすると邪道な戦術ばかりなので、忍者の戦い方とすると納得のいきます。
また後醍醐天皇は楠木正成を頼って倒幕しましたが、大楠公の母は伊賀の出身であり、笠置山での闘いでは伊賀の服部氏が活躍したそうです。
また、笠置山の登頂口は柳生の里ですが、勝利した時にそこを守っていた者に後醍醐天皇が柳生を領地として与え、後の柳生一族となったとか。
なので、楠木正成は悪党と呼ばれていますが、実態は伊賀忍者だったかと思われます。

歴史を見ても、日本の歴史の陰には忍者ありと言っても過言ではありません。

また本書で現代語訳で書かれている極意についても、現代の医学や科学知識に照らし合わせても、非常に合理的なものが多いです。
人の表情から心の裏を読むところなど、米国TVドラマ「ライ・トゥ・ミー」の微表情の読みに共通するものを感じます。
寝ているときの様子から眠りの深さを測るところなども、現代医学の睡眠についての研究結果と非常によく符合しています。
これらの知識が、江戸時代の平和な中で忘れられていき、明治以降は日本の古い文化が否定されて忘れ去られて行って、ドンドン亡くなりつつあることは、非常に残念です。

2017年3月5日日曜日

トリプルX:再起動

トリプルX:再起動

ICE CUBE主演のトリプルXに始まり、ヴィン・ディーゼル主演のNEXT LEVELが製作されていて、NEXT LEVELの最後で「次はもっとヤバイ奴だ」という台詞で終わっていたので、次作がすぐに製作されるのかと思っていましたが、えらく時間が掛かりましたな。
結局、ヴィン・ディーゼル以上にヤバイ奴が見つからなかったようで(というか今回の製作にヴィン・ディーゼルもクレジットされているので、彼自身がもう一回やるぜと声を上げたのかも)、今回はヴィン・ディーゼルにICE CUBEの他にもXXXメンバーが登場し、中盤まではXXX VS XXXという構図になってます。

冒頭の最後に、高名な世界的サッカー選手が登場しているんですが、XXXメンバーに勧誘されるという設定で、自分紹介で「アヴェンジャーズへの勧誘だと思っていた」というジョークが入ってました。
翻訳の方に気を取られていて、英語文の方に本当にそう書いているかを確認しょうとしたら消えてしまったので、原文でもそうだったのかは不明ですが。

何にしても、XXXのアクションはマジでやば過ぎです。
バイクでサーフィンするシーンは明らかにCG合成なのですが、(雪がない夏の)山からスキーで滑り降りるのとか、下り坂の道路をローラースケボーで車の間をすり抜けなら走るシーンとか(スタントは使ってるかも知れないけど)CG合成には見えなかったし、格闘シーンも見事です。
アクション映画が好きな方は、必見ですよ。