2021年1月30日土曜日

日本はこうしてつくられた ~大和を都に選んだ古代王権 / 安部龍太郎

安部龍太郎氏の歴史解説書は何冊か読んでますが、小説の方はよくよく考えたら読んでないや。
その内に読まないといけないですね。

本書は各地の古い神社や遺跡を訪れ、その血の研究家や学者さん達に案内と説明して貰ったことを、氏なりに咀嚼して文章にしたものです。
雑誌の連載をまとめたものですが、テーマは「半島を行く」ということで、必然的に古代の海運に関わる場所が中心になっています。
あ、半島といっても、ここでは日本列島に付随する半島のことで、国際法を理解できない国のある半島ではないです。

個人的な古代日本の謎に、茨城県の鹿島神宮と千葉県の香取神社があります。
どちらも創建は非常に古く、藤原氏の初代ともいえる中臣鎌足は鹿島神宮の神職出身との説もあります。
ということは、大和政権は飛鳥時代の7世紀にはこの地にまで勢力を伸ばし、領土としていたことになります。
鹿島神宮の創建は神武天皇の頃と、社伝にはあるので、それを考えると大和政権がこの地まで勢力を伸ばしていたのは、かなり昔からであることになります。
その時代にそれだけ広い領土をどうやって統治していたのか?
それを考えると、古代の人々が列島各地を行き来するのは、考えられている程困難なことではなかったということになります。

どうやって移動していたのか。
人が移動するということは、単にA地点からB地点に移動する手段だけではなく、その間の食料や水の確保、ねぐらの確保、安全の確保などなどが必要なので、それをどうやって確保していたのか。
本書はその謎の参考に少しはなったような気がします。

 

2021年1月28日木曜日

Beck, Bogert and Appice Live

邦題には「イン・ジャパン」がつくんですよね。
大阪厚生年金ホールで行われたライブを収録しているようです。
日本での外タレ・ライブといえば、日本武道館が有名なのですが、音響的には元々ライブや劇を行うために建築された大阪厚生年金ホールの方が好ましいのでしょうね。

まあ何で今頃?というと、BassのTim Bogert様への追悼の意味で買いました。
スタジオ盤は持っていたのですが、何故かライブ盤の方は買いそびれていたのです。
これも機会かと思いまして。
現代の超テクニカルな演奏を見慣れた人には、或いは物足りないかも知れませんが、逆に今のライブはCDそのままでつまらんという人は、こういうのが好きですよね。


税をむさぼる人々 / 森口 朗

日本の税制や年金制度、社会保障制度が、如何に出鱈目で国民に不親切な制度になっているかを解説された一冊です。

年金制度の酷さはよく言われますが、こういう具体的な例を挙げて示されているのは珍しいのではないでしょうか。
例を挙げようにも、制度が複雑すぎて解説できる人もいないんでしょうね。
そもそも年金制度の酷さの中見も、普通の人だと理解ができない矛盾に満ちた世界になっているようで。

こういうことをちゃんと知っておかないと、霞ヶ関を中心とするお役人に騙されることになるので、しっかり読んで知っておきたいものです。

 

2021年1月24日日曜日

911代理店 / 渡辺裕之

渡辺裕之氏の新シリーズが、昨年9月に発刊になっていたこと気が付かずに見落としていました。
最近は仕事先の場所の関係だったり、リモートワークで外に出なかったりで、書店に寄って新刊をチェックするのがなかなか出来ないんですよね。
その割にちょっと遠目の客先へ通わないと行けなくなって、通勤時間が長くなり、1〜2日で1冊読み終えてしまったりするのですが。

それはさておき、米国ドラマが好きな方ならタイトルから推測できるように、米国の緊急通報電話番号がネタになっています。
日本は警察は110、火事か急病は119と分かれていますが、米国はどれも911になっていて、オペレータが状況を聞いて警察と消防に連絡するシステムになっています。
そういう点では日本のシステムは官僚の縦割り主義が出ているんですかねぇ?

話が横に逸れましたが、日本の警察や消防が扱わない困り事を解決するお話。
渡辺氏のこれまでの小説同様、正義を貫く人達の物語になっています。