2016年7月31日日曜日

本能寺の変 秀吉の陰謀 / 井上 慶雪



本能寺の変の実行犯は明智光秀ではなく、羽柴秀吉の手の者による犯行で、冤罪であるという説です。
今に至るまで、明智光秀が何故謀反を起こしたのか、動機が不明で、それ故に後世に色々と造り話がされ、それを史実と勘違いした歴史家が出る始末。
秀吉の大返しも、どう計算してもおかしなことばかりで、事前に事が起きることを知っていたとしか思えない。
お説のように、全ては秀吉の陰謀によるもので、光秀は濡れ衣を着せられただけと考えれば、かなりの点で筋が通ります。
が、それでも何点かは無理が残るんですよね。
いくら秀吉が天才的な知略の持ち主でも、信長の行動をあそこまで見事に予測し誘導できたか?という疑問が残ります。
本書で書かれていますが、本能寺は信長の常宿ではなくそれ以前には半年前に1回だけ、なので、当日本能寺に泊まることをどうやって予測できたのか。
茶会を催すため、ということなのですが、茶会は本能寺でなければできなかったとも思えません。
その茶会に多数の名物(茶器)を携えてくるのに、供回りが数十名程度というのも不自然です。

お説最もな部分は多かれど、筋が通らないことも多いのも確か。

F-4 ファントムIIの科学 40年を超えて最前線で活躍する名機の秘密 / 青木 謙知



ファントムというと、新谷かおる氏のファントム無頼を思い浮かべてしまいますが、その影響か戦闘機というとF-101スターファイターでも、F-15イーグルでも、F-14トムキャットでも、F-16ファイティング・ファルコンでもなく、このF-4ファントムIIがまず頭に浮かぶのです。
現在に至るまでの歴代の戦闘機でカッコイイと思うのが、我が日本の誇る零式艦上戦闘機とF-4ファントムIIであるということもあるんでしょうけどね。
そんなわけで、本シリーズは今まで手には取っても買うまでは至らなかったのですが、F-4に関してはそのまま買い物かごへ入れてしまいました。
こんな本を読むのは、中年の兵器オタクの証拠なので、あまりお薦めはできません。
強度のミリオタには、本書は物足りないでしょうしね。
極軽微なミリオタにはお薦めです。