2022年6月4日土曜日

マルドゥック・アノニマス 7 / 冲方 丁

前巻からちょうど1年経って発刊されたのですが、マルドゥックシリーズとしては異例の長編になって、まだまだ終わる気配がありません。
この調子だとまだ後10巻くらいは行きそうな雰囲気。

悪党達が法的に一市民としての立場を確保しようとする、その手段と戦略は、普段あまり法律の条文などを意識せずに生きている日本人には理解不能なところが多いんじゃないかと思います。
アメリカみたいな訴訟社会だと、こういうことは普通にあるのかもしれませんが。


「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 / シンシアリー

本書は2021年5月発刊の「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 に新章を加え、改題し新書化したものです。

米国のラムザイヤー教授の論文で韓国が大騒ぎしたことは記憶に新しいと思いますが、韓国内でも同様のことを唱えて、今の韓国の日本や世界に対する態度を諌めようとする方もおられるのですが、情治国家の韓国では「事実がどうかではなく、我々がどう感じるか」なので、真実を言えない国になってしまっています。

半島国は古代から、大陸国家に絶えず侵略され脅されて来たので、コウモリ外交にならざる得なかった歴史があるわけですが、現在も相変わらず中共と米国の両国のご機嫌伺いをして自国の態度を決められないわけですね。
その惨めな思いを日本にぶつけて来ているんでしょうね。多分。
今の日本は憲法上、何をされても抗議以外(軍事的や経済的な制裁とか)はできないので、好き勝手やられ放題なわけで、まあ要するに弱いものは徹底的に叩き、強いものには頭を下げる、ご都合主義です。

そういう相手に、いくら理性的な話し合いを求めても意味がないんだが、いつになったら日本人はわかるんだろうか?
「同じ人間なんだから話し合えば分かる」とか「人は死んだら皆仏になるんだから、死んだ人のことで争う必要はない」とかは、世界中で日本人だけにしか通じないガラパゴス論理であることを、もっとちゃんと自覚して欲しいです。
こういう理屈が世界中どこでも通じると思っているから、日本人の頭はお花畑だと言われるんです。

 

2022年6月1日水曜日

ホツマツタヱによる古代史の謎解き / 長堀 優、 いと きょう

縄文文化が極めて高度な文明と文化であることがあきらかになりつつありますが、文字を持っていたかどうかはさておき、その思想や知識を後代に伝える何らかの手段はあったはずです。
でなければ、1万年以上もの文明文化の継承はできないですから。
その伝えられ続けて来たものが秀真伝えであり、その中から僅かな残滓として古事記や日本書紀があるわけです。
かなりの部分が削ぎ落とされ改変されてしまっていますけどね。

魂(タマシヰ)は、霊体であるタマと肉体であるシヰが合わさったものだそうですが、シヰとは「欲しい」のことで欲(食欲、性欲)のことであると。
欲が増えると魂は身体に引っ張られ、欲がなくなると霊体として天に通じることができるそうな。
仏教の悟りとは、この欲を一切消し去ることであるわけですが、それに通じる思考ではないかと思います。

欲を出すと身体に引っ張られ、身体が欲に引っ張られ、心の思うままには動いてくれなくなる。
スポーツ選手や格闘家、或いは芸術家の人達になら、この心境は理解できるのではないでしょうか。



楽器の科学 美しい音色を生み出す「構造」と「しくみ」 / フランソワ・デュボワ

楽器の倍音についての考察を知りたくて買ってみましたが、期待外れでした。
そういうマニアックなことではなく、基本的な楽器の構造とか仕組みを知りたい方にはお勧めですけどね。