2015年6月6日土曜日

変見自在 オバマ大統領は黒人か / 高山正之



週刊新潮に連載されているコラムをまとめられたもので、4冊目になるそうです。
単行本で平成21年に発刊されたものが、今回文庫化されたので、内容的には7年程前のものになります。

氏は元産経新聞の記者だったそうで、そのせいか朝日新聞への攻撃はかなりです。
まあ、記者の妄想を真実として報道している朝日新聞に否があるわけなんだけど。

オバマ大統領は、母親が白人で純粋な黒人じゃないんですよね。
黒人初のアカデミー賞受賞したハル・ベリーさんも母親が白人ですし、F1チャンピオンのルイス・ハミルトンも母親が白人で。
本書のコラムでは、白人と黒人(或いは他の植民地の有色人種)とのハーフは準白人扱いで、植民地の支配者として(というか白人の手先として)君臨していた話が、繰り返し出て来ます。
これは植民地だから、ハーフは白人扱いだったんでしょうね。
米国本土では、黒人奴隷の娘に、白人のご主人様が手を出して、子供を産ませた例は多いそうですが、生まれた子供は黒人扱いで奴隷として育てられました。
朝鮮でも奴隷が多くいて(本書によると、李氏朝鮮時代は人口の3割が奴隷だったそうな。私が以前聞いた話からすると、少なすぎるような気もするけど)、ご主人様が奴隷女性に手を出して子供を産ませる例も多かったのですが、こちらも奴隷の子は奴隷だったそうなんですよね。
自分の息子や娘を、奴隷としてこき使うというのは、日本人には信じられないでしょうけど、世界的にはそちらの方が普通みたいです。

白人や中国人は嘘を付くのが当たり前、という話も繰り返し出て来ます。
孔子の教えなどは如何に相手を欺すかなわけで、嘘を付くことに罪悪感などないどころか、嘘が上手い人こそ尊敬される文化なんでね。
嘘を付くのは悪いことだと、本気で信じているのは、先進国では日本と台湾くらいなもんです。
他の先進国は嘘を付くのが当然なのです。
ちなみにマヤ文化が滅びたのも、ネイティヴ・アメリカンが土地を奪われたのも、彼らが「嘘」というのを知らなかったからです。
(日本でも中国文化に冒された江戸時代の武士達は、アイヌ人を嘘で欺していたそうですが、これもアイヌ人が「嘘」というものを知らなかったからでしょうね)

2015年6月2日火曜日

常在戦場 / 火坂雅史



単行本で発刊された時は副題に「家康家臣列伝」と付けられていたように、徳川家康を取り巻く家臣や協力者を描いた短編集です。
この後に、遺作となった「家康伝」を執筆されるわけで、家康伝を書くために周りの人達を調べていて、面白い人達が多いからこういう形での短編集を書かれたのでしょうか。
或いは家康という人は、いきなり描くには大きすぎて書ききれないと思い、周りを固めてからと思われたのか。
元々歴史の陰に隠れた人に焦点を当てるのが得意な方ではありますが、こういう家臣団を順次描いていくという試みも初めてだと思います。
なかなか面白いですよ。

2015年6月1日月曜日

【くるまのおと】マツダはCVTを止めてトルコンATへ

日本メーカーは、燃費を稼ぐためにCVTの採用に積極的です。
でもCVTに一生懸命なのは日本だけで、欧州はダブル・クラッチ自動変速ミッションや自動変速ミッションに投資し、大パワー車では多段トルコンATに投資しています。
米国はトルコンATですね。
CVTは原理的には燃費稼ぎにはいいのですが、実際の構造的には伝達効率がよくなくて、思ったよりも燃費が稼げないのが実際です。

マツダはCVTからトルコンATに戻りましたが、AT製造の専業メーカーから購入するのではなく、自社開発自社生産しています。
MTも同じく自社開発の自社生産みたいですが、いずれにせよ、今時変速機を自社生産しているメーカーはほとんどありません。
コスト的に不利だからです。
そのコスト的に不利なことをしても、メーカーとしての理想に近づけるために、わざわざ内製をしていると。

シートにもコストが掛かっています。
日本メーカーはシートにはあまりコストを掛けないのですが、今のマツダはシートにかなりのコストを掛けています。
形状もさることながら、シートウレタンに低反発タイプの高振動吸収のものを使っているそうで、体圧の掛かり方を最適化して長距離でも疲れないものに仕上がっています。
こういうのは、ディーラーでの極短時間の試乗では判りにくいですし、カタログの謳い文句としても地味で売りにならないので、コストを掛けないのです。
でも実際にユーザーになって、乗り続けるとシートの出来の違いは分かってきます。
国産車から輸入車に乗り換える人が、増えているのも、ここら辺りが大きい理由の一つだと思います。