2015年2月18日水曜日

古代史の謎は「海路」で解ける / 長野正孝



古代日本は海洋国なのは、新潟のでしか産出しない翡翠が、南は八丈島から北はアラスカまで散らばっているいることからも間違いのないことです。
著者は普段からカヌーを始めとして、舟を楽しんでいる方のようで、古代の船旅を実際に舟を操った経験から再現しようとされています。
平安時代から江戸時代において、大阪湾から琵琶湖までの水運が発達していたのは確かなのですが、河の流れに逆らって大阪から京都までをどうやって遡ったのか不思議でしたが、本書を読んで何となくそう不可能や不条理なことではないんだなという気がしてきました。
陸路を川沿いに舟を牽いて超えて進むのことが、古代では普通のことだったというのも、読み進んでいく内に納得できるようになりました。
山の中に「船越」という地名がちょくちょく見当たるのですが、その由来も納得できるものです。
古代史に興味のある方は、必読の書ですよ。