2017年11月24日金曜日

續 信長私記 / 花村 萬月



信長私記 (講談社文庫)の続編です。
「續」は「続」の異字体ですが、わざわざ普段使わない方を題字に使用したのは何か意図があるのでしょうか。
内容から特にその必要性は読み取れませんでしたが。

続編も信長の独白形式で話が続きます。
信長の行動原理からすると、確かにこういう考え方をしていてもおかしくはないなという独白が、死の直前まで続いています。
並の人ではここまで徹底した考え方はできないですね。
それができたからこそ、もう一歩で天下を収める寸前まで行ったわけですが。

2017年11月22日水曜日

逆説の日本史23: 明治揺籃編 琉球処分と廃仏毀釈の謎 / 井沢 元彦



本書の前半1/3を費やして、延々と朝日新聞が如何に嘘だらけの記事で読者を洗脳しようとしている卑劣な報道機関(出鱈目な記事しか掲載していないから「報道」とはとても言えないですが)であるかを述べられています。
日本のマスコミは、今では「マスゴミ」と呼ばれるくらい、虚偽と虚報だらけなのですが、特に朝日新聞はここで紹介されている従軍慰安婦強制徴用の記事だけではなく、日常的な記事も事実のように見せ掛けた記者も思い込みと妄想だらけです。
文章をキチンと読めば記者が勝手な想像を書いているだけだと分かるはずなのですが、朝日新聞の読者はそれを見抜くだけの文書読解力がないんでしょうかね?

何年か毎に日本企業の不正が明るみに出ますが、日本の村社会は正しいことをするよりその場しのぎの誤魔化しの方を好みます。
正しいことを指摘してキチンとした対処を望む奴は、「和」を乱す奴と嫌われ排除されます。
だから自浄することができず、何十年にも及ぶ不正が正されないまま、その企業の慣習として続いてしまう。
いつになったら日本人は、村社会の「和」の呪縛と儒教の呪いから逃れることができるんでしょうね?

2017年11月19日日曜日

核DNA解析でたどる 日本人の源流 / 斎藤 成也



最新のDNA解析手法により、現代日本人を中心として東アジア各国の人のDNA、遺跡から発掘された骨や歯から採取した縄文時代の列島人のDNAなどを解析し、比較した研究結果を詳細に報告されたものです。
しかし縄文人がどこから来たのかは、謎か深まるばかりで、よく判らないというのが結論のようです。
まだ東北、関東の縄文人のDNAしか採取されておらず、関西圏から西の縄文人については、これからの研究課題だそうですが。

以前読んだ書籍では、アイヌ人は縄文人とは関係ない人種という話でしたが、本書ではアイヌ人が東北縄文人のDNAを一番濃く受け継いでいるということです。
アイヌ人と琉球人の近縁性は、本書でも指摘されており、日本人というのが様々な人種が混血した独特なモザイク状的なDNAであることは確かみたいです。
が、ではどういう人種が何処から日本列島に流れ着いて住み着いたのか?となると、それもよく判らないみたいですね。
近隣諸国の人達と共通するDNAもあれば、全く共通しないDNAもあり、それはかなり遠く離れた場所の人種と共通だったりして。
まだまだこれからドンドン進歩していく分野ですので、10年後には本書の結論がひっくり返っている可能性もなきにしもあらずなので、今後の動向に注目しましょう。