2017年2月8日水曜日

進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義 / リチャード・ドーキンス



20年前に子供向けに行われた講義をまとめ直したものだそうですが、非常に分かりやすく楽しく読めました。
20年前の講義の内容のままなんだそうですが、現在でも少しも古びた感じがしません。

跳躍的進化というのがあって、古い地層を発掘して発見される化石からだと、突然大幅な跳躍のように生物が進化する痕跡が多く見られます。
目と翼などは、進化の中間的な状態だと何の役にも立たないどころか邪魔になるから、いきなり完成した目や翼ができたと考えないと説明が付かないという学者さんもいます。
が、ドーキンス博士は暫時的な進化でも目と翼は役に立つことを解説し、目の進化が始まってからレンズを持った高性能な目まで発達するまで、コンピュータシミュレーションによって、25万年くらいで十分可能ということを示されています。
現代の地層発掘の技術でも、25万年だと同じ年代に見えてしまうそうで、目のない生物から突然完成された目を持つ生物に進化したように見えるのだとか。
まあそれならそれで、同じ(にみえる)地層から、途中の各段階の生物化石が色々と出て来てもよさそうなものですが…進化が始まって収斂するまでは時間が短くて化石が殆ど残らないけど、収斂してしまって安定な状態になると長い期間そのまま進化が止まって化石が出やすくなるということでしょうか?

2017年2月5日日曜日

だしの神秘 / 伏木亨



日本食の神髄ともいえる「だし」について、科学的に研究されている方のレポートです。
実は現代の昆布と鰹節によるだしが確立されたのは江戸時代も後半になってからなんですよね。
それ以前からも、なくはなかったのですが、昆布は東北地方から北海道でしか採れないので、一般的に広まったのが、江戸時代に北前船による流通が確立してから。
枯れ節と呼ばれるカビ付けして徹底的に乾燥させた本節が作られるようになったのも、江戸中期以降なのです。
そういうだしの歴史や、西洋のソース、ソープとだしの違いなども解説されています。
グルメを気取りたい方には、必見の一書ですね。