2016年2月27日土曜日
【くるまのおと】FORDの日本市場撤退の真相は?
日本法人や日本の販売店には、寝耳に水だったそうですが、FORDの米国本社が日本市場からの撤退を発表しました。
マスタングが右ハンドルになったり、日本向け仕様のFORD車がやっと導入され始めたところでの撤退なので、一体何が?という感じですね。
そんな疑問に対して、ベストカー3月26日号で、評論家の伏木悦郎氏が答えてくれています。
曰く、FORDはモノを売るメーカーを脱却して、コトを売るメーカーに転換するつもりなんだ、と。
携帯電話というモノを売っていた業界へ、AppleがiPhoneというコトを売るものを持ち込んで、10年経たない内に世界を変えてしまった。
それをクルマでFORDは行おうと決断をしているそうで、そのための撤退だそうで。
トヨタの特集の中での発言で、今までの延長でモノを売ることしか考えていないトヨタは、この変革に付いて行けず、FORDの後塵を拝し滅びることになるだろうと。
当たってると感じましたね。
日本の携帯メーカー、電機メーカーが、ことごとくダメになっていますが、未だに残ったメーカーはモノを売ることに拘り、コトへの変革はどこも考えてないように見えます。
(内部的には考えているのかも知れないけど…そういう動きとか兆候が見えないんですよね。あれば私の所属する業界で、それなりに人の動きとかで分かるんですが)
前から私がよく書いていますが、日本人は戦略というものを全く理解していないので、コトを売るということがどういうことかも理解できないんだと思います。
日本の技術が素晴らしいとか品質への拘りが素晴らしいといっても、それを活かせる戦略がないとダメなんですよね。
2016年2月26日金曜日
知られざる鉄の科学 人類とともに時代を創った鉄のすべてを解き明かす / 齋藤 勝裕
たたら製鉄とダマスカス鋼のことが、少しですが、出ていたので買って来ました。
鉄というのは生活に欠かせないだけでなく、生命の維持にも欠かせない必須ミネラルです。
また元素的にも非常にユニークな性質があって、ビッグバンで生成された水素原子を始まりとして核融合によってより原子番号の大きな元素が作られていくのですが、核融合の終着点が鉄で、鉄はどんなに圧力や熱を加えられても、核融合を興さない非常に安定な物質なのです。
#なので、鉄より原子番号の大きな元素がどうやって生成されたかというのは、長い間原子物理学の世界では謎だったらしいですが。
また原子番号の大きな物質は核分裂を起こして、より原子番号の小さな元素に変貌して行きますが、その終着点も鉄。
元素としては非常に安定している物質なのですね。
そのくせ酸化しやすく、地球の大気の酸素が二十数パーセントなのも鉄が酸化して酸素を吸収してくれているお陰だそうで。
まあ鉄というのは身近な元素ですが、非常に興味深いですね。
2016年2月25日木曜日
学校では教えてくれない日本史の授業 謎の真相 / 井沢 元彦
ほとんどは逆接の日本史の本編で触れられていた事柄なのですが、連載から時間が掛かっていることもあって、その後の考察などを加えて内容がより濃く説明されています。
それにしても、ここで扱われていることは、既に歴史学の中では常識になって来ているのかなと思っていたのですが、まだまだ認めようとしない学者さん達は多いみたいですね。
大阪城は豊臣秀吉が施工主ではありますが、元々は織田信長の計画であったことは、何故あれだけしつこく石山本願寺の明け渡しを要求し続けたのかを考えれば明らかだと思うのですが、そう思わない人がまだいるんですね。
2016年2月21日日曜日
桜と刀 俗人西行 / 火坂 雅志
火坂氏は西行についての作品で作家デビューをされており、故に西行については格別の思い入れがあったようです。
本書は、西行についての火坂氏の考えをまとめたコラム集になっており、西行を主人公にした歴史小説を書くための取材ノートだったのではないかと思われています。
残念ながら、その小説が世に出ることは叶わなかったのですが、本作を読むとやはり氏の西行に対する特別な思いが伝わってきますね。
氏の初期作品には、菊池秀行氏の影響が感じられたのですが、本書の後書きを読んで、元担当編集だったというのを初めて知りました。
私は、筒井康隆氏の言葉「作家で評価しない。作品で評価する。」というのに共感をしていて、そのために作家のプロフィールについては意図的に知らないようにしているのですが、火坂氏の作品に菊池氏の影響が出るのも宜なるかなと深く納得してしまいました。
#とはいえ、はっきりと影響が感じられるのは初期作品だけで、中期以降は独特の作風を生み出されています。
西行の詩の中に、古流の組み討ち術の技に通じるものがあることに火坂氏が気が付かれたのは、菊池氏の連載の編集者として日本中の格闘家や古武術の達人に会って話を聞いていたからですね。
普通の作家や古典の研究家では、絶対にこういうことは気付けないでしょうね。
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