2021年2月13日土曜日

DYSTOPIA / Royal Hunt

D.C.クーパー氏のVocalが好きなので、ここ数作を買ってますが、今回はゲストヴォーカルにMatz LevenやMark Boalsなども参加しています。
今回のアルバムはコンセプトアルバムだそうで(なのに、どういうコンセプトかは明らかにされていないという不思議なアルバム)、各テーマに沿った曲のイメージに合うヴォーカリストを起用したらしいです。

原題は単に「DYSTOPIA」なのですが、邦題は「ディストピア・パート1」になっており、つまりは「パート2」以降もあるってことでしょうね。

ディストピア・パートI(初回限定BOX仕様 Tシャツ付)

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2021年2月7日日曜日

宇喜多の楽土 / 木下 昌輝

タイトルからして宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)の続編ですが、捨て嫁が宇喜多和泉守直家を描いたのに対して、本作はその息子の宇喜多中納言秀家の生涯を描いたものになっています。

こちらは短編集形式ではなく、普通の長編物語形式で書かれています。
宇喜多家に関する知識がなかったので、五大老の一人である宇喜多秀家は、秀吉子飼いの武将ということくらいしか知らなかったので、てっきり親族の甥っ子を宇喜多家の養子として押しつけたのかと思ってましたが、違ってました。

備前の有力大名家である宇喜多家を、幼い内に父親が亡くなったために継ぐことになり、そこに目を付けた秀吉が自分の信頼できる味方にするために、子飼いの子供達と同様に養育したみたいですね。
親族なのに豊臣家を裏切った小早川秀明とは異なり、生涯太閤殿下の御恩を忘れず忠実であったため、30前なのに子息と共々八丈島へ流配になり、余生をそこで過ごすことになると。
八丈島の余生の方が、それ以前の人生よりもずっと長いというのは、どういうものなのでしょうね。

宇喜多の捨て嫁 / 木下昌輝

木下氏の作品は最近になって読み始めたので、デビュー作の本書はまだ読んでいませんでした。
読まないといけないなぁと思いつつ、なかなか切っ掛けがなかったのですが、今回本作の続編と思えるタイトルで新刊が発刊されていたので、読むならこっちからだよなと合わせて買って来ました。
しかし書店も、新刊を盛大に並べるなら、本書も横に置いておけばいいのに。
出版社も帯にデカデカと旧作を書くなら、一緒にこちらもと書店に奨めたりはしなかったんだろうか?

短編集ですが、戦国末期の備前で成り上がり大名の宇喜多和泉守直家を、複数の人物の視点から描くという構成になっています。
それぞれの短編の主人公が変わりつつ、連作になっていて、全体で直家という武将の姿を描く長編になっているという感じですね。

戦国の世というのは、互いが騙し合いながら、自分の家族と家臣や領民を如何に守っていくかに力が注がれた時代です。
その頃の謀の知恵が昭和初期まで伝わっていれば、勝てる戦争を負け戦にすることはなかったんでしょうにねぇ。

人魚ノ肉 / 木下 昌輝

2年半程前に発刊されていた作品ですが、後述の新刊の帯に本作が記載されていて、まだ読んでない作品だったので、新作と一緒に買って来ました。

短編集ですが連作になっており、登場人物が重なっており、先に登場する短編が後の短編の伏線になっていたりして、全体としては長編物語になるような構成になっています。
単行本デビュー作の宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)が同じような構成になっているので、氏が得意とするスタイルになるのかも知れません。

短編毎に主人公が変わり、それぞれの視点から幕末の京都を描いています。
中心は新撰組ですね。
新撰組の好きな方には興味深い内容ではないかと思います。

各隊のリーダーを「隊長」ではなく「組頭」と書かれているのは、莫大な資料を読み解き史実に忠実であろうとする氏であればこそでしょうね。
組織の名称は「組」だけと、トップは「局長」なのは有名ですが…なんでそうなのかを解説した歴史書にはまだ出会ったことがないです。
本書でもそこは特に触れられてはいないですが。