2013年12月6日金曜日

【ZEISSコラム】【α7R】CONTAX G Biogon F2.8/28mmの解像感もエグイ

レンジファインダーが好きになれない(ファインダーで見た絵と実際に写る絵が一致しないのが我慢できない)ため、CONTAX Gシリーズには手を出さなかったのですが、Leica MやCONTAX Gなどのレンジファインダー用のレンズでもファインダー像に実際に写る絵がそのまま出るα7Rという武器を得て、ここのところお買い得なMマウントレンズやGマウントレンズを探し回ってます。
相場が急騰しているとはいえ、Sonnar F2.8/90mmやBiogon F2.8/28mmはまだまだリーズナブルな値段で入手可能なので、Sonnarに続いて28mmの方のBiogonをGETしました。

CONTAX Gシリーズのレンズは、それ以前のRTS CONTAXのレンズやそれ以降のCONTAX NとかコシナZeissとはMTF特性の揃え方が異なっています。
CONTAX Gシリーズ以外のCarl Zeissのレンズは、10本/mmから20本/mm、40本/mmと空間周波数が高くなるに従って、なだらかにMTF値が下がっていく特性になっているのですが、Gシリーズだけは10本/mmと20本/mmのMTF値がほとんど変わらず、40本/mmも差程差がないくらいに高い値を示しています。
通常Gシリーズのような特性にすると解像力が落ちるものなのですが、RTSシリーズの同等スペックのレンズの解像力と差程変わらず、性能と値段を考えると恐ろしい特性のレンズなのです。
アサヒカメラのニューフェース診断室での測定結果を見て、目が点になって以来、Gシリーズレンズは気になる存在ではあったのですが、レンジファンダーなのを我慢してもあのボディはとても使う気にはならず、諦めていたのです。

先日のα7RとSonnarの組み合わせでの結果を見て、開放からの飛び抜けた解像感に目を丸くしていましたが、Biogonもそれに匹敵する解像感を示してくれています。
α7Rの撮って出しJPEG画像が以下になります。

縮小した全体画像がこちら。


その中のピントが合った部分の100%切り出し。


葉や茎の産毛が判りますでしょうか?
ここまでくっきりと写るというのは、ピントがあっている部分はほぼ無収差といっていいくらいに収差が綺麗に補正されている証拠でしょう。
他の一眼レフ用OLDレンズ群が、収差による解像感の限界がはっきりと判るのに対して、Gシリーズの2本は撮像素子の解像度がもっと高くても大丈夫なんじゃないか?と思えるくらいに解像しています。
バックフォーカスの制約がどれだけレンズ設計の足かせになっているのかってことでしょうかねぇ。

2013年12月3日火曜日

業政駈ける / 火坂雅志



時代は戦国時代の中頃、上杉謙信がまだ長尾景虎で関東管領になる前からなった直後辺りの時代の、群馬県は榛名山辺りを支配していた長野業政の後半生を描いています。
火坂氏はあまり知られない歴史に埋もれた人物を取り上げることが多いのですが、今回も一般には知られていない武将を取り上げています。
時の関東管領 上杉憲政が北条に追われ、長尾景虎に管領職を譲る次第がよく判ります。
関東公方や関東管領は、京の公方や管領を完全に無視していると思っていたのですが、景虎は時の将軍 足利義輝に直に会いに京へ上り、関東管領の補佐と場合によっては就任を命じられていたのですね。
謙信が密かに京へ上っていたという話は他の物語でも出ており、その折に将軍に拝謁をしていたのは知っていましたが、このような命を受けていたのは知らなかった。

上杉謙信と長野業政が、互いの生き様を認め合い信じ合い、武田・北条勢の猛攻を跳ね返す様が見事です。

【α7R】Super Wide Heliarの色被り対策を検討してみたが



バックフォーカスの短いレンズでも装着可能なα7Rなので、対称型の広角レンズが試したく、Leica-Mマウントのコシナ Voigtlander銘 Super Wide Heliar 15mm/F4.5を購入して試してみました。
これを選んだのは値段がお手頃なのと、この領域の広角レンズを持っていないからです。
が、このレンズはNEX-5などでマゼンダとアンバーの色被りがあることで有名ですね。
空を写すと画面上部にアンバー(要するに茶色に近い黄色)が被り、四隅にマゼンダ(赤紫っぽい色)が被ります。



アンバー被りは位置的に考えて電子端子の金色が反射しているのだろうと予想して、反射防止の遮蔽板をアダプタに付けたのですが、それでも↑のようなアンバー被りが上部にでます。

電子端子が隠れるように黒色のスポンジを切ってアダプタに貼り付け、更にその上部に仮に黒紙を置いて隠すようにしたのですが、現象は変わりません。


アダプタを装着した状態でSWHを後ろから見ると、鏡胴のアルミとヘリコイドの真鍮が丸見えです。


撮像素子を反射した光が、このアルミと真鍮に反射してアンバーとマゼンダの色被りが発生しているのかと考え、アダプタがSWH専用になってもいいやとばかりにリアレンズ周りをきっちりと囲むように反射防止処理をしてみました。


更には電子端子を隠す覆いも追加。


しかしながら、ここまでやっても発生する現象は変わらず、アンバーとマゼンダ被りは同じように出ます。
減ってくれるわけでもないので、電子端子や鏡胴内のアルミや真鍮の反射が原因でもないように思われます。

撮像素子周りの反射防止が、NEX-5Nに比べると甘いので、その対策もしてみました。
元々の状態だと、撮像素子のマゼンダ色の反射光が撮像素子周りのフレームでこれだけはっきりと反射しています。


これに反射防止布を貼り付けて、反射を弱めます。


しかし残念ながら、ここまでやっても現象が全くといっていいくらいに改善されません。
改善されないので、原因が推測したものとは全く別の物であるのは明らかなのですが、シアン被りになるようなものなど、これ以上どこを探しても見当たらないですし。
こうなるともう、このレンズ自体になにか問題があるのかと思いたくなるのですが、マゼンダ被りはともかくシアン被りが発生するのはNEX系のミラーレスだけみたいなので、SONYの撮像素子設計に問題があるのでしょうかねぇ。

風景には使えないし、かといって室内撮影でもアンバー被りの問題は発生するので、α7RでSWHを使用するのは諦めるしかなさそうです。
まあ誰かが、カメラを上下逆にして撮影するという荒技で回避する方法を示されていて、確かにそれだと空にアンバー被りはでないのですけどね。
対称型広角レンズが使えないのだと、α7Rの魅力が半減してしまいます。
レトロフォーカスな広角でよければ、D800Eの方が撮影しやすいですしね。

2013年12月2日月曜日

REDリターンズ

REDリターンズ

ブルース・ウィリス主演のRED(超危険なじじい)の続編です。原題はRED2なので、この後も3,4,5と続けるつもりなんでしょうね。3の時に邦題をどうするんだろう?

それはさておき、韓国スターのイ・ビョンホンが出演しているのですが、ビシッとしたスーツでの格闘シーンがあって、身体にぴったりとしたスーツなのによくあれだけ激しく手足を動かせるなぁと感心してしまいました。
ストレッチ生地を使っているにしても、格闘シーンの後でスーツが全然乱れていないことに驚いてしまいます。
ハリウッドの衣装を担当している連中の仕立ては半端ないなぁ。

前回に比べてカーチェイスシーンとか金のかかった撮影をしているのですが、その分熟練スパイのテクニックを披露するシーンが前回に比べて減ってしまっているのがちょっと残念です。
冒頭の方で、ブルース・ウィリスが手近なものを活用して大勢を次々に始末していくシーンは圧巻で、その手練れ振りがその後も続くかと思ったら、残念ながらそこだけでした。
でも面白かったですよ。
次が本当にあるかなぁ。

2013年12月1日日曜日

日本史の謎は「地形」で解ける / 竹村光太郎



著者の竹村氏は歴史が専門ではなく、土木の専門家の方です。
その土木の専門家が地形から歴史の謎について解説した書です。
氏の指摘される数々の謎の解は、非常に明解で納得できるものが多いです。
特に信長の比叡山の焼き討ちなどは正に目から鱗で、これまでの説では今一つ納得できなかったことが、あっさりと納得できてしまいました。
こういう視点で歴史を見ることも必要であることを、痛感する次第。
歴史に興味ある方々は是非ご一読を。