2018年2月22日木曜日
GRIMMEST HITS / Black Label Society
Zakk Wyldeがデビューして30周年だそうです。
ガソリンスタンド店員をしていたのが、一躍人気ギタリストになったのだから、世の中はどこにチャンスがあるか判りません。
本アルバムのタイトルをパッと見て、「Greatest Hits」と勘違いしたのですが、ジャケットのシルエットの鎌を持った怪人の一撃のことらしいです。
その格好からすると、かなりおどろおどろした強烈にHeavyなサウンドを想像してしまうのですが、今回はちょっと大人しめです。
Heavyなサウンドの曲も多いですが、リズムは軽快なRock'n' Rollなので、軽めに聞こえてしまうのですよね。
アコーステックな曲も多めですし。
Zakkの歌い方は、かなり個性的なのですが、どうもOzzy的な歌い方をしているからじゃないかと、今更ながら気が付きました。
ちょっと前に「Ozzyはヴィブラートを描けないで歌っているから、真似するのは却って難しい」という話を聞いたのですけど、Zakkもそういうヴィブラートをかけずに歌ってます。
ギターはヴィブラートバリバリなのに。
道理で独特な声に聞こえるわけだ。
縄文の思想 / 瀬川 拓郎
日本人のDNAを調査した結果を述べた書籍を何冊か読んでいますが、縄文人と現代日本人の関係やアイヌ人との関係についての考察が、著者によって異なるのですよね。
DNA解析データを見ていても、どうにも納得できない部分があったのですが、本書を読んでこういうことか?というのがありました。
現代アイヌ人は、縄文人直系のアイヌ人(以下旧アイヌ人)と、オホーツクからやって来たオホーツク人との混血らしいです。
現代アイヌ人のDNAは、縄文人や沖縄民族に非常に近い部分とかなりかけ離れた部分があるのですが、この混血が確かなら納得のいく話です。
捕鯨で世界的に有名になった太地町では、昔から鯨が捕れるとその肉を町の人に平等に配る風習があるのですが、そういう風習を持った漁港町は日本全国に結構あるようで、どうもそれは縄文時代の風習がずっと伝わって残っているからのようです。
縄文時代の日本は、理想的な共産主義社会で、リーダーがいても富を独占することはなく、捕った獲物は赤子から年寄りまで平等に分けていたんだそうな。
実際、古代から日本には(ソ連や中共のような、共産主義の名を騙る独裁主義ではなく、正に本来の意味での)共産主義的なところがあり、つい最近までの日本企業の終身雇用制とか給与体系、職制は平等主義であり共産主義的で、「資本主義の皮を被った社会主義」なのですよね。
平等主義は外敵がいない所では、長期的に平和で安定な社会を形成できます(事実縄文時代は戦争のない社会が1万年以上続いていました)が、海を越えて独占主義、独裁主義が入ってくると崩れてしまいました。
まあ縄文時代は温暖期で、自然の恵みが豊かだったが、弥生後期になると地球の寒冷化で作物が採れなくなったということもあるんでしょうけど。
また、本書では縄文時代の人びとが、海を渡って非常に広範囲な活動・交易を行っていたことが示されています。
縄文人がどのような船を使っていたのかは、殆ど判っていません(土器や壁画の線画程度しか残っておらず、恐らくは木製の船は跡形もなく朽ちて痕跡がないのです)が、日本列島だけではなく半島や大陸にも進出していたことは、遺跡から判っています。
その割には、半島や大陸から縄文土器が見つからないのは不思議ですけどね。
本書を読んで、我々の内にある縄文を思い起こすことが、今の日本人には必要ではないかと思います。
2018年2月18日日曜日
WHAT HAPPENS NEXT / Joe Satriani
Satriani師匠のアルバムを買うのは久しぶりだ。
ギター・インストって、聴いていて飽きるというのがあって…どの曲も同じに聞こえるし…で、ここ数年は、師匠に限らずインストアルバムは殆ど買ってないのです。
#Legacy ''Demon's Strike''
に関わらず今回購入したのは、何といってもベースをGlenn Hughes様が弾いているからに他なりません。
おまけにドラムがChad Smithですよ。
洒落にならん、超強力なリズム隊。
このドラムとベースだけで、買う価値があるでしょ。
Glenn Hughes様がベースだけを弾いて、歌を歌わないというのは、前代未聞なのですが、Glenn様のベース・プレイの素晴らしさは、ベーシストなら例外なく讃える程のもので…でも一般のベースを弾いたことのないファンには理解できないものなんですが…恐らく世界中のRockベーシストは、全員このアルバムを買うんじゃないでしょうか。
いやほんま、実際アルバムを聴いても、Glenn様のベースがブリブリ鳴りまくっていてたまらんですわ。
とにかくベース弾く奴は全員このアルバムを買って聖典として崇め奉らないとあかんですよ。
感染領域 / くろき すがや
【2018年・第16回「このミステリーがすごい! 大賞」優秀賞受賞作】だそうですが、賞を取るだけあって非常によく練られたプロットと文章運びは非常によくできていて、あっという間に読み終えてしまいました。
作者は、美術系ライターと広告営業の二名の共作ユニットだそうで、小説では珍しいですね。
漫画とかだと原作と作画は別というのは結構ありますし、作画も何人ものアシスタントを使ったチームワークなのが普通ですが、小説の場合は編集者と作家の二人三脚というのはありますが、作家として複数名でチームを組むということは例がないと思います。
#亡くなった作家の執筆中作品を、別の作家が仕上げるという例はありますが、元々意図したものではないからね。
遺伝子操作がテーマなのですが、SFとはいえ、ここで行われたことは、既に実際に実行可能な話です。
農作物に対するウィルステロは、実際に実行可能で、今すぐにでも起こりうる話なので、フィクションながら、これ洒落にならんぞ、と思いますよ。
主人公は嘗て大学研究室で行われた実験データ捏造を告発したために、大学の閑職に甘んじているという設定になっています。
捏造を告発するのは正しいことで、褒められるべき行為のはずですが、日本では「裏切り者」の烙印を押されて、捏造した研究者よりも非難されるのです。
大学研究だけではなく、企業内の行為でも同じで、そういう日本的な慣習から、不正が長い間放置され社内慣習として定着してしまう。
出荷製品の性能データ捏造、検査データ不正が、複数の会社で発覚していますが、日本人の道徳観は「仲間内を何よりも優先する」であり、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」なので、周りが不正を行うなら一緒に不正を行うのは、不正ではなくなるのです。
そういう体質自体を変えなければ、いくら政府が働き方改革とか、賃金向上を訴えても、絵に描いた餅でしかないんですよ。
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