2017年9月21日木曜日
女系図でみる驚きの日本史 / 大塚 ひかり
女系の家系図で歴史を語られていて、他の歴史家とは異なった視点からの解説は非常に面白かったです。
古代では女性の地位や財産権というのが保証されていて、世間への影響力が強かったのですが、平安後期辺りから段々と弱くなり、室町時代くらいになると女性の地位が疎かにされるようになった、というのが大まかなお説だと思います。
これはまさしくその通りだと思います。
ただ系図を女系でということでしたが、実際掲載されているのは男女混じりになっているのが、ちょっと中途半端に感じました。
まあ、昔は女性の本名は秘すものですし、通称でも記録に残ることが少なく、母親が誰か不明な場合も多いので仕方ないのでしょうね。
また平安時代の貴族における、乱れた性関係をはっきりと書いた人も、あまりいないのですが、著者はしっかりと書かれています。
平安時代を真面目に理解しようと思ったら、この問題は避けて通れないのですが、世の中の真面目な学者さん達はこの問題は無視なんですよね。
2017年9月20日水曜日
【くるまのおと】MotorFan Illustrated Vol.132 にて SKYACTIVE-X の特集
SKYACTIVE-Xの正式発表があってから、それ程間がないのによくこれだけの特集記事を書けたなと不思議に思います。
主にSPCCIについての解説ですが、独逸での試乗会に使われた時期アクセラのシャーシ(に現行アクセラの皮を被せてたらしい)の解説もあります。
ネットニュースでは、このアクセラのリアサスペンションが、現行のマルチリンクではなく、現行デミオと同じトーションビームにしているとあったのですが、本書では触れられていませんでした。
主にマツダの特許資料からの推測が多く、詳細は不明で推測の部分が多いのですが、SPCCIに興味がある方には参考になると思います。
2017年9月18日月曜日
公正的戦闘規範 / 藤井 太洋
藤井氏のデビューから最新の短編5編を集めた短編集です。
商業デビューが2013年なので、プロの作家としての経歴はまだ4年にしかならないのですが、2015年に日本SF作家クラブ会長に就任されたそうで。
それだけ、藤井氏の作品は、今の日本SF界に取っては衝撃的だったということですね。
現実がSFを超え始めている現在では、本格SFを執筆するには最新量子力学、宇宙物理学のような科学的知識が豊富に必要なだけではなく、ソフトウェアについても相当の知識が必要です。
それだけ知識を持っていて、かつ小説の構成、企画をきっちりとできて、読みやすく分かりやすい文章を書く、というのは並大抵のことではなくなっています。
5編の短編はどれも秀作で、アイデアといい内容といい、優れたSF作品になっています。
5編に共通しているのは、どれも突拍子もない仮説によるものではなく、もうすぐそこに来ている未来を描いていることです。
SFというよりは、近未来予想を小説で説明しているという方が近いかもしれません。
登録:
投稿 (Atom)