2016年8月20日土曜日

刀の日本史 / 加来 耕三



加来氏はただの歴史作家ではなかったんですね。
タイ捨流の使い手なんだそうで。
実際に剣法を知っている方が、刀が日本史の中で如何に発達して来たかを述べられています。

元寇が日本刀に変革をもたらしたという指摘。
日本刀が明に大量に輸出されたが、大陸の刀剣はほとんど輸入されていないという指摘。
実にご尤もな指摘で、興味深いです。

この中で、日本刀を輸出して、大量の鉄を輸入していることを指摘されています。
蹈鞴製鉄だけでは、刀の原料となる鉄が足りなくなったのだろうという推測をされています。
しかし、大陸の鉄は鋳鉄で、日本刀に必要な鍛鉄ではないので、現代の溶鉱炉で作られた鉄では日本刀が作れないのと同様、大陸の鉄では日本刀は作れないはずなのですが…。
室町期には一般家庭でも、鉄鍋、鉄釜、鉄の農機具などが普及するので、輸入された鉄は日本刀以外の鉄製品に使われたのではないのかなぁ?

【くるまのおと】マツダスカイアクティブエンジンの開発―高効率と低燃費を目指して



2013年に発刊されたマツダスカイアクティブエンジンの開発―高効率と低燃費を目指しての改訂増補版です。

Demioを買った時に改訂前のを買おうかとも思ったのですが、内容的に私が買ったDemioの前のモデルに関してのものだったので買わなかったのですが、今回は最新の情報が追加されていたので買いました。
燃焼に関する話がほとんどで、製造に関する話が触り程度しか出ておらず、その点がちょっと物足りないのですが、高圧縮比ガソリンエンジンと低圧縮比ディーゼルエンジンについての内容についてはよく理解できました。
ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも、圧縮比15〜16辺りにするのが最も燃費がよくなる、というのは実は25年くらい前に(今では伝説とも云えるMotor Fan連載で兼坂氏が)予言されていて、その予言がやっと実現したという形です。
この技術が世の中に広まってくれば、VWのような問題も起きなかったんでしょうけどね。

2016年8月16日火曜日

X-MEN アポカリプス

X-MEN アポカリプス

やっぱりジーンが最強ってことでした。

三部作完結というわりには、如何にも続きますって終わり方が…。

逆説の日本史 22 明治維新編: 西南戦争と大久保暗殺の謎 / 井沢元彦



逆説の日本史も連載開始から25年。ということで、過去の記事を一部訂正する補遺編が追加されています。
明治維新というのは、世界的にも希有な政治体制の革命であり、その後の文明導入の速度も革命的な出来事です。
明治に入ってからの鉄道網、電信・電話網、郵便制度、その他諸々のインフラ整備は、恐ろしいくらいに急速にしかも確実に行われています。
これがどれくらい凄いことかを、今の日本人には理解できないでしょうけど、西洋人は恐ろしさを感じたはずです。
その一端がここに書かれていますが、本書では武士達が自分達の身分と立場を江戸時代の体制のまま求めて、新政府の体制に対して反旗を翻した経緯がメインになっています。
この一連の流れを思いっきり省略して分かりやすくしたらラスト サムライになるわけで。