2016年12月3日土曜日
オービタル・クラウド / 藤井 太洋
基本的なアイデアは既に実用化されているものですが、実際にこれが実現可能かというと…どうなんでしょう?
キーになるスマホ基板を使っての部分で、基板上に「原子時計」が搭載されている、とか、衛星軌道上でGSP座標を取る、とか書かれているんですが、ここいらは作者の勘違いじゃないかと思います。
近未来とはいえ、原子時計が将来的にスマホ基板上に載る程小型化される見込みはないです。
今のスマホは基地局と携帯の電波で時刻同期している、一種の電波時計になっているので、原子時計並の精度も実現できているのですが、スマホ自体に原子時計が搭載されているわけではありません。
衛星軌道には地上の携帯基地局の電波は届かないので、時刻同期もできないですし。
またGPS座標を精度よく取得するためには、地上と衛星の重力と速度差による時間補正が必要なのですが、この補正は衛星側で行っているので、GSP受信側は地上でほぼ停止状態になることが前提になります。
(クルマや鉄道などの移動速度は、衛星の移動速度に比べる非常に遅いので、停止状態と誤差範囲内です)
なので、衛星軌道上で衛星速度で移動していると、こGSP送信側で行っている補正が、逆に誤差になってしまうのです。
それを逆補正する計算を行うにしても…スマホのCPUで足りるのかな?
2016年11月27日日曜日
アンダーグラウンド・マーケット / 藤井太洋
仮想通貨が日常的に使われるようになった世の中を描いた近未来SF小説です。
私はどうも仮想通貨の偽金防止対策が信用ならんので、まだ使う気にはならないのですが、近い将来では普通の通貨として使われるようになるんでしょうね。
少額決済を電子的に行うおサイフケータイが日本では普及しているので、どれくらい日本国内で仮想通貨が普及するようになるかは分かりませんが、この小説のような未来が来ないことを願っています。
米中戦争 そのとき日本は / 渡部 悦和
陸上自衛隊を長く勤められた方による、米中の戦力分析レポートです。
かなり詳細なデータが並んでいて、私のようなド素人には理解しきれないものが殆どでした。
いずれにしても、中共政府が世界征服を目指して、着々と軍事力を増強させていることが分かります。
問題は、習近平主席が、共産党解放軍を把握しようと、組織改革や腐敗防止策を色々と施しているようですが、それが逆に軍の反発を招いている可能性があることですね。
現在の共産党政府打倒を目指して、各方面軍が独立革命を起こしてくれる方が、日本の防衛に取っては都合がいいでしょうけど、それで内戦が長引いて大量の難民が日本にやってくると、これまたえらいことになるのも確かで。
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