2022年7月1日金曜日

ここまで解けた 縄文・弥生という時代 / 山岸良二

近年の遺跡発掘と解析は、かなり進んでおり、縄文・弥生時代の様子がかなり明らかになりつつあります。
古い学説はドンドン放りさられ、新説に置き換わって行っているとは思うのですが、それでも長年定説として唱えられているものがなくなるまでには、十年程度では済まず、まだまだ先のことになりそうです。

新発見を紹介する新書のはずですが、既に聞いたことのある説ばかりでした。
ただ、その内容の詳細さは、これまでに読んだ中では一番だと思いますので、新しい説を単に提示するのではなく、確固たる証拠で裏付けがきちんと取れたものを紹介しているという点で、価値がある書だと思います。

2022年6月30日木曜日

天海の秘宝 (上・下) / 夢枕獏

 

夢枕獏氏はデビュー当時SFっぽいものを書かれていたと思うのですが、初期だけでその後はあまりSFっぽさを感じさせない作品をずっと書かれていたと思います。
とはいえ、あまり夢枕氏の作品は読んでないので、外れているかも知れませんが。

本作もタイトルから、「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」と同じような伝奇歴史ものかなと思いましたし、上巻は正にそのような雰囲気でした。
が、下巻に入ると様相が変わり、ガチのSF物語に突入。
夢枕氏の、これだけガチのSFは初めて読んだ気がします。
まあ、読んだことのある夢枕氏の作品数が少ないので、ファンの方にはお叱りを受けるかも知れませんが。

そういう意味で、私の夢枕氏の作品イメージとはちょっと違っていたのですが、面白いことは間違いないです。
登場人物の設定とか、ストーリー展開の巧みさは、流石だなと思わされます。