2016年2月11日木曜日
地球はもう温暖化していない / 深井 有
物理学博士による国連機関IPCCによる地球温暖化プロパガンダの嘘を暴く一書です。
20世紀の終わりから地球の平均気温は上がっておらず、CO2の増加が温暖化の原因とする人達の立場が危うくなっています。
#なので、2014-2015年の測定値が若干上昇したところ「やはり地球の温暖化は止まっていなかった!」と大騒ぎになりましたが。
そもそも地球の気温変動の原因として考えられるものは、100以上あって、その内有望と思われる10項目の一つに温暖化ガス(CO2だけではなくメタンや複数のものが含まれます)の増加があり、人類がコントロール可能な要因はCO2排出量を減らすことくらいしかないため、地球の温暖化を止めるためにできることをしましょう、ということなのでしかないのです。
なのに、いつのまにか大気中のCO2濃度だけが温暖化の原因のように言われるようになり、それが政治的経済的なキャンペーンになって、それに反対するのは人間じゃない的な扱いを受けるようになってしまいました。
とはいえ、既にCO2排出量を減らそうと一生懸命なのは日本国民だけで、他の国はもう地球温暖化やCO2増加には感心がないそうですが。
1990年代には夏になると、最低気温が30℃を越える熱帯夜が連続30-40日ということが毎年続いていたのですが、2000年代に入ってからは熱帯夜になる日がほとんどなくなりました。
TVニュースは熱帯夜が連続していた時は熱心に報道していましたが、熱帯夜がなくなったことは報道せずに、昼間の最高気温のことばかりをいうようになりました。
これも地球の温暖化が止まったことをいうと、政治的に都合が悪いからだろうなと思っていたのですが、実際に霞ヶ関にはそういう報道をすると速攻で電話を掛けて圧力を掛ける部署があるそうです。
政府が一生懸命CO2排出量を減らすことを国民に強いているのですが、これを真面目に実行しているのは日本政府だけで、日本国民は多額の金を政府に巻き上げられ、日本政府はそれを途上国に巻き上げられという構図で、もうこんなことは止めるべきというのが、著者の主張。
正にその通りだと思いますね。
地球の気温は、大気中に0.3%前後しか含まれていないCO2が0.6%に増えたところで、大して影響されるわけではなく、それよりも太陽の黒点活動による地球への宇宙線量の増減の方が影響するので、CO2排出量を1割2割削減したところで意味ないんですよね。
そもそも地球の平均気温の測定自体も、正確な測定自体が無理な話で、IPCCが出している平均値は大都会での測定値を主に使っており、単に都会でのヒートアイランド現象を測定しているだけの可能性も多い状況では、IPCCによる欺瞞と言っても言い過ぎではないですしね。
2016年2月7日日曜日
θ 11番ホームの妖精 アクアリウムの人魚たち / 籘真 千歳
一人と一匹と一台の物語、と書くと敵は海賊になってしまいますが、T・Bと義経とアリスの物語が再登場です。
中編2本が収められていますが、後の方は書き下ろしとのことで、結構な内容的に重たいお話になっています。
著者はシステムエンジニアの経験があるそうですが、現代のシステム開発会社の経営者に対する皮肉が仕込まれています。
前にも書いたことあるのですが、スティーブ・ジョブズが「プログラムの開発は人によって最大30倍の差がある」と看破したことを理解できる経営者はいないんですよね。
自分の雇っている者達は等しく優秀であるべきである、という幻想を本気で信じているわけではないでしょうけど、トップ・エンジニアにできることが誰にでもできると思いたがる傾向があるのは間違いないんですよね。
コンピューター・プログラム以外の分野では、そこまで個人差による生産性に差が出る業種というのはないから、余計理解しなくないというのが本当のところなんでしょうけど。
#単純に同じ給料を払ってるんだから、同じだけ仕事しろって思ってるだけなんでしょうけど。
それはさておきとして籐真氏の作品は人工知能の自我というものが大きなテーマになっていて、本作もそれについて近い将来か遠い将来かは判りませんが、この先人類が直面し真に取り組まなければいけない問題を真面目に論じられているんですよね。
たぶん、こういう論を語れるのは、宗教的な指向から、恐らくは日本人だけで、一神教の人達には無理だし、儒教の徒にも無理でしょう。
それ故に革命的な人工知能は日本から生まれるという説も出て来るんでしょうけど。
難しい話を抜きにして、純粋に愉しめる小説としても本作はお薦めです。
籐真氏の文章は、読んでいて愉しいですから。
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