天照大神と素戔嗚尊が生まれたときに、月読命も同時に誕生されているのですが、月読命はその後さっぱり古事記には登場しません。
「夜の食す国」を任されたということですが、「夜の食す国」は黄泉の国のことと、一般には解釈されています。
伊弉諾尊が命辛々逃げてきた黄泉の国の支配を、どうやったらできるんだろうか?という疑問が、私の頭の中に湧いて来ているのですが、本作では黄泉の国の解釈で話を進めてします。
生まれてすぐに黄泉の国へ送られたというのなら、「生まれてすぐに間引かれた赤子」ということを私は連想してしまうのですが、本作ではまた別の解釈をされています。
高田氏の説も、それなりに納得の行く説明ではあります。
本書のもう一つのテーマとして、秦氏が出て来ます。
秦氏が朝廷に散々食い物にされて、財産を奪われていく様を描いているのですが、それだけの財力を持っているのなら、朝廷に対抗して自分達が支配者になれたんじゃね?と思うのですが、何故か秦氏は全く抵抗することなく素直に従っています。
それが何故なのかは、本書では解き明かされていませんが。