2022年12月30日金曜日

SUNBURST~我武者羅 / LOUDNESS

 

40周年記念の29枚目のアルバムは2枚組です。
40年間、メンバーの入れ替えは頻繁にありましたが、ほぼ休むことなく続けて来て、29枚ものアルバムをリリースするというのは、大変な偉業です。

 

BLOODIEST / 聖飢魔II

 

35++執念記念盤だそうですが、今頃になって新教典が発布されることになろうとは。

ダミアン浜田殿下以下、(メジャーデビューしてからの)歴代構成員が揃い踏み的な感じで、執念記念に相応しい内容となっています。

それにしても解散してもなお今だに根強い人気を誇るのは、そのキャラクターだけでなく、楽曲が素晴らしいからでしょうね。

 

PATIENT NUMBER 9 / 0ZZY OZBOURNE

前作から2年とやたらと短い間隔でリリースされた本作ですが、プロヂューサの仕事の早さをOzzy様が気に入って、またなんかかんやでツアーが中止になったこともあって、前作のアルバム完成後すぐに本作の制作に入り、とんとん拍子で出来上がったと。

本作はそのプロヂューサのアイデアで、Jeff Beck様、Eric Clapton様、Tony Iommi様が参加されています。
殆どの曲のギターは、プロヂューサとZak Wyldeですけどね。


THE SICK, THE DYING... AND THE DEAD / MEGADETH

DAVEさんが喉頭癌を患うという事態があり、場合によってはこのアルバムどころか、MEGADETHのアルバムがもうリリースされることがなかった可能性もありました。
が、無事に復帰され、本アルバムがリリースの運びに。

最近のMEGADETHというよりも、初期の頃のサウンドに近いようにも感じます。
こちらも原点回帰を考える何かがあったのかもしれませんね。


OF KINGDOM AND CROWN / MACHINE HEAD

メンバーを一新してのコンセプトアルバム。
コロナ禍でツアーがキャンセルになったことで、アルバム制作に集中できたのが幸いだったのか。
ある面では原点回帰、ある面では新しいコンセプトの導入で、かなり凄いことになっています。

あまりにも名作すぎたBlackeningを超えているかも。

 

2022年12月29日木曜日

量子の世界をみる方法 「スピン」とは何か / 村上 洋一 編・著

量子力学を理解するには、スピンという現象を理解することが不可欠なのですが…理解できませんでした。
スピンによりどういうことが起こっているかは分かったのですが。


戦国十二刻 始まりのとき / 木下昌輝

似たようなタイトルで戦国十二刻 終わりのときというのがありますが、同じようなアイデアで戦国時代の始まりのときを描いた短編集です。
終わりが先で、始まりが後から出てくるというのも面白いですけどね。

木下昌輝氏は、現時点で一番面白い歴史小説を矢継ぎ早に発表されている、期待の作家だと思います。
時代考証の念密さは、他の歴史小説家にはなかなかないものだと思っています。
史実を元に、よくこれだけのアイデアを考えつけるなという斬新なストーリー。
にもかかわらず、史実との整合性が非常に高くとれていて、思わずこれが真実なのではないか?と思わされてしまう手腕は抜群です。

本書の各編どれも、うーむ確かにありえるかも、と唸りながら読ませて戴きました。


龍馬を守った新撰組 禁断の幕末維新史 / 加治将一

加治氏のこれまでの著書は、語りたいことが明確で、そこに至るまでの説明も理路整然としていたのですが、本書は今ひとつ狙いがボケてる感じがします。
新撰組は幕府側の組織ではあるけれども実は尊皇の団体である、というのが要旨みたいなのですが、それと龍馬を守るというタイトルがイマイチ読んでいて結び付いてこなくて。

新撰組という組織も、実は成り立ちが不明な部分も多いのですよね。
生き残りの隊員の証言だけが頼りなのですが、それがそもそも怪しい。
「組」だけど、トップは「局長」掟は「局中法度」で「局」を名乗り、一番隊から七番隊の各隊のリーダーは「組長」というのが、他に例を知らないのですが、当時は一般的だったのですかね?
大抵の人がこれを間違っていて、殆どの歴史小説/時代小説では「三番隊隊長 沖田総士」などと書かれてるくらいで、本来の「三番隊組長 沖田総士」という名乗りは、馴染めないですよね。

局長近藤勇、副長土方歳三、三番隊(一番隊の時もあったらしい)組長沖田総士は、天然理心流という突きを主知とする剣法を習得しているのですが、その流派がどこから来たのかも不明。
近藤勇が宗家を継いだという天然理心流の道場である試衛館も、どこにあったかも不明。
江戸時代末期の資料では、江戸にあった剣術道場の資料が結構残っているらしいのですが、そこには一切出てこないそうで。

そういう正体不明な団体についての解説だから、不明で謎なことばかり挙げられていて、いつもに比べると歯切れが悪い文章のように感じてしまいます。
まあ世間一般で信じられている新撰組は、小説で作家が好き勝手に出鱈目...もとい脚色したものなので、実際とはまるでかけ離れているものと思った方がいいです。

 

2022年12月28日水曜日

古代の刀剣: 日本刀の源流 (561) (歴史文化ライブラリー 561) / 小池 伸彦

正倉院の御物に刀剣がかなり納められているそうで、その刀剣の形状などを始点として、日本刀がいかにして生まれてきたのを探った書です。
日本刀が好きな方にはお勧めです。

たたら製鉄と日本刀は、古代日本人の技術の結晶ともいうべきものです。
製鉄技術は半島から到来したという説が主流ですが、古代百済で行われていた製鉄と、炭を大量に消費するたたら製鉄には結び付かない部分も多いんですよね。


理系が解く『日本書紀』の謎;前方後円墳時代の王朝史復元 / 善積 章

理系の視点で科学的な分析を行うということで、買ってみました。

氏は初期の天皇の年齢を4倍年として換算されています。
一応、それで辻褄合わせをされているのですが、私的には4倍の根拠が代々の年齢をグラフ化したものくらいしか根拠がないので、どうかなぁという感じです。

全体的に、複数の王朝が併存していたのを、万世一系にこじつけるため、矛盾が生じているという態度で語られています。
九州王朝と大和王朝が併存していたという説は聞いたことがあるのですが、関西に3つの王朝が併存していたとする説は、ちょっと強引すぎやしなか?という気がします。
それなら九州にも複数の王朝が併存していて然るべきだと思うのですが、その辺りが曖昧です。

とはいえ、お説ごもっともな点も多いので、参考になる書ではあります。


古代史サイエンス: DNAとAIから縄文人、邪馬台国、日本書紀、万世一系の謎に迫る / 金澤 正由樹

DNA解析とか炭素分析による年代特定とか微量成分分析による産地の特定とか、科学の発展に伴い古代遺跡の詳細が明らかにされつつあります。
が、共産主義に染まった日本の歴史学者とかいう人達は、自説に都合の悪い科学的データは一切認めず無視をし続けています。
本書でも一貫して既存の歴史学のこういう態度に疑問を呈しているのですが、きっかけは井沢元彦氏の逆説の日本史だそうで、私と同じですね。
長浜裕明氏の著書にも影響を受けたそうで、氏の建築技術者からの視点に基づく古代史の解析には、かなり影響を受けたそうです。

著者の説には、然りと思える部分もあれば、そうかぁ?と疑問を呈したくなる部分もありますが、一貫して科学とは常に定説がひっくり返されることの繰り返しであることを念頭において、説明と解析を行われています。
著者も自説が絶対的なものであるとは言わず、今後変わることがある可能性を明言しながら、論を進めていく態度は、是非世の中全ての歴史学者、歴史研究家を名乗る方々に見習って欲しいものです。