2002年5月26日日曜日

露出の決定

露出の測り方は2種類あります。入光式と反射光式です。どちらがよいかはいつも論争になるのですが、それはどちらも決定的な弱点があるということでもあります。
入光式のよい点は、安定した露出を簡単に得られることでしょう。教科書通りというか、18%グレーがフィルム上でも常に18%に再現されることを期待するなら、この測定方式がよいです。欠点としては、シャドーやハイライト部の潰れ具合や飛び具合が読みにくい、ハイキー/ローキー表現の度合いを読みにくい、手が届かない遠くの露出は測れない、ということでしょう。
反射式では、入光式と利点/欠点がそのまま逆になります。以前に書いたゾーンシステムでは、反射式が必須ですので、フィルムに再現されるシャドーからハイライトまでを自分の思う通りにしたい場合は、こちらの方が使いやすいでしょう。
私は両者を併用しています。反射光式と入光式と両方で測って、露出を決定することが多いです。手抜きでどちらかだけで決定することも、結構ありますけどね。
いずれにしても、露出を1/3EV単位で測るには、かなりのコツが必要で、入光式でも測光部の向きがほんのちょっと変わるだけで、1EVくらいの差が出ることはよくあります。常に自分が再現したい露出を意識しながら、露出を測り、決定することが必要ですね。


【BMW雑記帳】直4と直6

今月も車雑誌の発売日になりました。BMW関連の記事で特に目を引くものはあまりなかったのですが、「くるまにあ」の福野氏の最新BMW試乗レポートが面白かったです。中身は読んでのお楽しみということで。

さて、BMWは今や直6に拘る唯一のメーカーになろうとしています。BMWのエンジンラインアップは、直4、直6、V8、V12です。V8は直4を繋げたもの、V12は直6を繋げたものなので、実質的には直4と直6と同じと考えてよいでしょう。では何故直4と直6に拘るのでしょうか?他のメーカーは何故直6からV6へと移行するのでしょうか?
直4の利点は、完全バランスが取れる最小のシリンダー数形式ということです。つまり排気量の小さいエンジンで、完全バランスを目指すと直4を選ぶしかないわけです。
厳密には2次の振動が残るのですが、これは簡単なバランサーで除ける程度のものです。各気筒の点火時期も均等タイミングになるため、排気干渉も少なくなります。1,2気筒では振動のバランスが取れませんし、3気筒でもすりこぎ運動が残るためバランスが取れません。直4というのは、最小構成でもっともバランスのよい構成なのです。
直6も振動バランスは完全バランスで、しかも直4のような2次振動が残るということもありません。点火間隔も均等にできます。欠点としては3次の捻り振動のため、高回転領域では耐久性に問題が出ることです。BMWの直6ではレッドゾーンが6,500回転からなのは、これが理由です。
また長さが長くなるため、ブロックの強度を確保すると重くなりやすいことも欠点かも知れません。他のメーカーが直6を捨ててV6に移行するのは、偏にエンジンの長さを短くして、重さを軽くするためです。そのために、振動の完全バランスを捨て、点火間隔の均等性も捨てているのです。
しかしBMWはエンジンが長く重くなっても、完全バランスと点火間隔の均等性に拘っています。運転している人には、それが非常に心地よいエンジンの響きとなって感じられるからです。運転する人の気持ちよさを捨てて燃費等の経済性に走るメーカーと、運転する人の気持ちよさを優先するメーカー。あなたはどちらを選びますか?