2014年6月21日土曜日
スパムリコール / 司城志朗
前半はなかなか話が進まなくて、話がこれで成り立つんだろうか?と思いながら読み進めて行ったところ、後半に入ったところから話が急展開し始め、終わりの方はどんでん返しの応酬かのように、二転三転四転と読者の予想を覆し続けて行きます。
最後には、ふ〜ん成る程なぁという落ちになるのですが、前半から真ん中辺りまでに、その落ちを推理するためのネタがちゃんと用意されていました。
推理小説の基本はキチンと押さえているわけで、お見事な構成です。
2014年6月19日木曜日
和食とはなにか 旨みの文化をさぐる / 原田信男
和食というか、日本の食の歴史を語る一書です。
色々と興味深い話が満載で面白いです。
京都の錦市場には食べ物屋さんが多いし、光源氏にも錦の市場の話が出てくるので、食事を提供するレストランというか食事処は平安時代からあるものだと思っていたのですが、本書によるとどうも江戸時代も半ばになってからのようですね。
今の和食の基本的なものは室町時代半ばに確立され、江戸時代に発展したというのは、まあ納得です。
また砂糖が思っていたよりもかなり古くから日本に入ってきていたらしい話も興味深いです。
沖縄で量産されたのが、四国などでも生産されるようになり、比較的安価に入手できるようになるのは江戸時代なのですが、室町時代には大陸から輸入されていて、それなりに普及していたみたいです。
2014年6月15日日曜日
列島の歴史を語る / 網野善彦 藤沢・網野さんを囲む会
30年くらい前に行われていた、網野善彦氏が一般の方々を相手に講演会で語られた内容を纏めたものです。
色々と興味深い話が満載なのですが、どうやらこういうことらしいがはっきりとはわかっていない、的な話がほとんどですね。
まあ未だに研究され尽くしてない事柄を、いち早く気づき問題視されていただけでも、素晴らしいことなのでしょうけど。
古代はおろか、江戸時代のことも、実は現代人はすっかりと忘れ去っていて、その頃の常識が全く見えなくなってしまっています。
それを理解しないと、本当の意味での歴史研究とは云えないのですけど、今後の研究がどう進んでいくか。
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