2020年8月15日土曜日

5G 大容量・低遅延・多接続のしくみ / 岡嶋裕史



携帯回線がこれまでのLTE/4Gから5Gと呼ばれる接続形態に移行しようとしています。
特許を握っている中華企業を、米国を中心に携帯回線機器調達対象外にしつつあり、日本でも安全保障の問題から米国に従い、他のメーカーから機器を調達する予定です。
中共政府参加の企業の製品を安さ(だけじゃなくて性能もいいらしいのですが)を理由に大量導入する予定だったキャリアなどは、かなり大慌てですね。
しかしじゃあ5Gって何よ?となると、中身はさっぱりで、一応携帯電話関係の仕事に関わったことがある(現在は全然別の仕事ですが)ので、知らんままでもいけないなと思って、勉強のため買ってみました。

が、あまり参考にはならなかったです。
一つは携帯回線の仕組みを全く知らない一般の人を対象としていたので、基礎の基礎から懇切丁寧に説明されており、5G以前の3G/LTE/4Gの仕組みの説明にページが多く割かれています。
5Gの説明には、それ以前の3G/4Gの仕組みが分かっていないと駄目なので、一般向けとしてはまあ正解なのですが、その分肝心の5Gの説明に割かれるページが少なくなって、説明も中途半端になるという感じです。

もう一つは、まだ本格的なサービスが立ち上がる時期なので、実際に運用される5Gがどういうものか不明で、どういうアプリケーションに使われるかも不明、なので筆者も説明がまだできないことが多いというのがありますね。
武漢ウィルスによる人との接触が制限されて、リモートで色々とやろうという動きがありますが、まだ信号処理に時間が掛かっているため遅延があって、リアルタイムに同期しなければいけないような用途(ミュージシャンのオンライン経由でのセッションなどが試みられていますが、皆さん遅延により音を同期させられずに苦労されています)の場合に、5Gだと人間の知覚未満の遅延(1msec)で済むようになるそうです。
速度も遅延も、有線通信よりも無線通信の方が優れているような状況になってきますね。
こうなると有線通信の10G Ehternetが、早くもって低価格で入手しやすいものになって欲しいです。

2020年8月11日火曜日

ソニー ウォークマン 16GB Aシリーズ NW-A105






ハイレゾ変換機能が付いたSONY WALKMAN NW-A16を5年以上も使い続けていて、そろそろハイレゾ変換がAIを使ってより高性能になった新機種に買い替えようかなぁと考えていたところ、キャッシュバックキャンペーンが始まりました。
と、同時にA16が壊れてしまい(どれかのスイッチが押しっぱなし状態になってしまったらしく、他のキーが全然利かない上に、充電しようにもディスプレイ画面が着きっぱなしになって充電されない)、買い替えることになりました。
NW-A16シリーズ登場以降6年くらい経つのに、未だに圧縮音源やCDグレード音源をハイレゾ相当にアップサンプリングするDAPは、Walkmanしかないみたいですね。
当初はNW-A55にしようかと思っていたのですが、キャッシュバックキャンペーン対象がA105シリーズ以上で、A55シリーズは対象外。キャッシュバックを考えたら、値段差はそう大きくはならないので、思い切ってA105にしました。

5年の歳月とグレードが一段上ということもあって、まあ音が全然違います。
A16では128kbpsと256kbpsの音質差は気にならなかったのですが、A105だと128kbps音源を再生すると「あれ??」ってな感じになって、画面表示を見たら「AAC 128kbps」で、「あ〜これはやっぱりリッピングし直さないとあかんね」となりました。
で、256kbpsにリッピングし直している時に気が付いたのですが、今ではAAC Losslessというのがあるですよね。CD音質そのままでファイルサイズが2/3程度になります。
AAC 256kbpsに比べるとファイルサイズがかなりでかくなるのですが、音を比べるとやっぱり違う。ここまで細かい音が入っていたのかと改めて思います。今まで何を聴いていたんだ?と。
で、手元のCDをせっせとLosslessフォーマットにリッピングし直して行くのですが、当然今までのAAC 256kbps向けのmicorSDでは容量が足りず、512GBという大容量のカードも買う羽目に。

まあでも、その甲斐あって、大変いい音で聴けております。
まだ512GBの半分ちょっとしか使ってませんが、保存した楽曲を一巡することがまだできていないくらい、大量の曲が保存できています。

因みにAndroid OSを使用しているため、バッテリーの消費が激しいと世間では不満のようです。
・音楽関係以外のアプリを停止/アンインストールする。
・Googleアカウントにはログインしない。
・普段はWiFi/Bluetoothは停止しておく。
とすることで、8時間程度聴いても電池が半分程度の消費で済んでおります。
これくらい保てば、取り敢えずは宜しいかと。
まあ1週間に1回程度の充電で済んだA16に比べると、大食いなのは確かですが。

三体Ⅱ 黒暗森林(上・下)/ 劉 慈欣





中華人民共和国のSF作家による話題の書。その続編です。
ん〜、何というか、話題になるのは理解できる反面、ストーリーにしてもプロットにしても、何か練れてないよなぁという感じがあるんですよね。
文章がぎこちないのは、翻訳文だと英語圏作品でもあるので、作者のせいというよりは、翻訳という言葉の壁の限界のせいだとは思いますが。
アイデアはいいけど、それを小説にするときの組み立て方が、まだまだな気がします。
世間の評論を見ていると、そういうことを書いている人は全然いないけど。

宇宙の広さを説明する箇所があるのですが、世間一般の人が感覚として理解できていない太陽系の広さを、作者は何とか説明しようとしていますね。
たぶん、これでも感覚的に分からない人が殆どでしょうけど。
宇宙がどれくらい広いか。
以前流行った妄言に「太陽系の惑星が直列に並ぶと、それら惑星の引力が合わさって多大な引力が地球に襲いかかり、天変地異が起こる」というのがあるのですが、これなんかが宇宙の広さを丸っきり分かってない典型ですね。
各惑星の質量と太陽からの距離は、公開されたデータがあるんだから、それを元にちょっと計算すれば、どのくらいの引力が地球に掛かるかは直ぐに分かるんですけどね。
それくらいの計算をやってから言ってくれないかい?って感じです。

ま、それはさておき、最後のどでん返しは…まあいいんだけどね。
ちょっとなんかなぁ、と個人的には思いました。
ここまで引っ張っておいて、それかい!って感じです。