2002年5月26日日曜日

【BMW雑記帳】直4と直6

今月も車雑誌の発売日になりました。BMW関連の記事で特に目を引くものはあまりなかったのですが、「くるまにあ」の福野氏の最新BMW試乗レポートが面白かったです。中身は読んでのお楽しみということで。

さて、BMWは今や直6に拘る唯一のメーカーになろうとしています。BMWのエンジンラインアップは、直4、直6、V8、V12です。V8は直4を繋げたもの、V12は直6を繋げたものなので、実質的には直4と直6と同じと考えてよいでしょう。では何故直4と直6に拘るのでしょうか?他のメーカーは何故直6からV6へと移行するのでしょうか?
直4の利点は、完全バランスが取れる最小のシリンダー数形式ということです。つまり排気量の小さいエンジンで、完全バランスを目指すと直4を選ぶしかないわけです。
厳密には2次の振動が残るのですが、これは簡単なバランサーで除ける程度のものです。各気筒の点火時期も均等タイミングになるため、排気干渉も少なくなります。1,2気筒では振動のバランスが取れませんし、3気筒でもすりこぎ運動が残るためバランスが取れません。直4というのは、最小構成でもっともバランスのよい構成なのです。
直6も振動バランスは完全バランスで、しかも直4のような2次振動が残るということもありません。点火間隔も均等にできます。欠点としては3次の捻り振動のため、高回転領域では耐久性に問題が出ることです。BMWの直6ではレッドゾーンが6,500回転からなのは、これが理由です。
また長さが長くなるため、ブロックの強度を確保すると重くなりやすいことも欠点かも知れません。他のメーカーが直6を捨ててV6に移行するのは、偏にエンジンの長さを短くして、重さを軽くするためです。そのために、振動の完全バランスを捨て、点火間隔の均等性も捨てているのです。
しかしBMWはエンジンが長く重くなっても、完全バランスと点火間隔の均等性に拘っています。運転している人には、それが非常に心地よいエンジンの響きとなって感じられるからです。運転する人の気持ちよさを捨てて燃費等の経済性に走るメーカーと、運転する人の気持ちよさを優先するメーカー。あなたはどちらを選びますか?


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