2004年4月10日土曜日

天皇家の忍者

新潮文庫 刊 南原 幹雄 著
タイトルを見て、天武天皇が「天文・遁甲をよくし」と忍術に長けていたという話を連想し、それに関した物語かと思ったら、全然違いました(笑)
天皇家の輿を担ぐ「駕輿丁(かよちょう)」というお役目があるのですが、その役目に携わっている八瀬童子と呼ばれる八瀬の村の人々が、朝廷の忍びも兼ねているという話です。
八瀬童子というのは、言葉は聞いたことがあるけど、どういうものか知らなかったのですが、八瀬の村の先祖が鬼(童子)であったという言い伝えが元になっているそうです。
時代は徳川幕府初期。幕府が朝廷を弾圧に掛かった頃の物語で、江戸への遷都を幕府がごり押しで行おうとしたことを題材にしています。
この江戸への遷都計画って、実際にあったんでしょうかね?ちょっとググったところでは見当たらないのですが、失敗した計画だから証拠が残されていないのも仕方ないですし。
ベテラン作家らしい、読みやすく判りやすい文章とストーリー仕立てで、アイデアを活かし切って面白い小説になっています。

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