講談社文庫刊 山田 風太郎 著
読んでいる時は全く気が付かなかったのですが、これは私が生まれる以前、今から45年も前の作品なのです。ストーリの面白さ、構成の斬新さ、文章の感覚に全く古さを感じさせないというのは、凄すぎます。
登場する忍者達は、異常な体質による人外の業を備えた者達です。今でもそうなのかも知れませんが、当時は忍術、忍法というのは人間離れした異常な業と思われていたのですね。実際の忍術というのは非常に合理的科学的なものなのですけどね。
例えば、ここに登場する忍者達はそれぞれ己の体質を活かした特殊な業を使いますが、実際の忍者はそういう個々人特有の業というのは使わなかったそうです。というのは殺し方で誰が殺したかが判ってしまうと、総掛かりで復讐に来るからだそうです。
なので、忍術の基礎訓練を終えると、業の癖を消す訓練をして、流派が判らないようにするのだそうです。
まあそういう現実の者とはかけ離れた世界ですが、読み物としては文句なしに面白いです。
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