2004年8月19日木曜日

新しい生物学の教科書

新潮社文庫刊 池田 清彦 著
高校の生物教科書の記述を引用しながら、その内容をより判りやすく説明した、生物学の基礎を解説したものです。教科書の記述が古い場合は、最新の学説を紹介されています。
色々と興味深い話が載っており、面白く読めました。とはいえ、生物とか遺伝子などについては、まだまだ判らないことの方が多い、ということもよく判りました。
一番興味深かったのは、ウィルスや単細胞生物は死なない、という話です。単細胞生物は分裂増殖をしますが、分裂した後、元のが死ぬかというとそういうことはないそうです。また人間などの多細胞生物は生まれてから死ぬまでの細胞分裂回数は決まっている(ために死ぬ)のですが、単細胞生物は無限に分裂できるそうです。
単細胞生物ではDNAが環状なので、多細胞生物の線状DNAのようにテロメアの長さで寿命が決まることはないそうなのですが、多細胞生物でも複写で短くなったテロメアを修復することができれば、永遠に生きられるはずみたいです。ガン細胞などがそういう例だそうですが。

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