2005年10月17日月曜日

龍の仮面 (上・下)

徳間文庫刊 佐々木 敏 著
「仮面」と書いて「ペルソナ」と読ませます。「龍」は大陸の「中華人民共和国」のことです。
ストーリーはいつもの如く読んでのお楽しみということで書きませんが、中国の解放軍を題材にした政治シミュレーション長編小説です。
それにしても中国がまともな政治体系を持たない人治の国なのは知っていましたが、更にいくつかの驚愕の事実をこの小説を読んで知りました。
・中国の軍隊「解放軍」は国家の管理下にある軍隊ではなく、共産党の管理下にある私設軍隊である。
・陸軍は複数の地区毎にあり、中国全体の陸軍は存在しない。つまり陸軍の組織系統は統一されていない。
・共産党は中華人民共和国の政権を担うことが、憲法で定められていて、それ以外の政党は政権を担うことができない。
・つい最近まで解放軍には軍規も階級も存在しなかった。
・中華人民共和国の正確な国土面積は発表されておらず、自国の国土範囲はどこまでかを明確にしていない。
こんなことでよくあれだけの広大な面積と人口を保った政府というものが成立し、存続するなと、不思議な思いがします。


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