2005年11月19日土曜日

【ZEISSコラム】ハウレットチャート

久々に【ZEISSコラム】のタイトルで。
今月のカメラ雑誌は、Nikon D200の特集で賑わっていますね。D2Xを買おうかと悩んでいましたが、D200にするかD2Xにするかの悩みに変わりそうです。
いやその前に、Canon 5D + Y/C->EOSアダプタで、CONTAXレンズでデジタルにするか、という悩みもあるんですけどね。
銀塩フィルムは、もう5年くらいは大丈夫だろうと考えていたのですが、ヨドバシのフィルム売場が大幅縮小になり、気に入っているリバーサルフィルムはドンドンと製造中止になって来ていて、困ってます。中判のフィルムもいつまで手に入ることやら。とはいえ、ここ半年ほどはデジタルばかり使っていて、中判は全然なのですけど。

それはさておき、皆さんにはD200の記事よりも、日本カメラのF6テストレポートに注目して欲しいです。


日本カメラのテストレポートでは、レンズの性能評価にハウレットチャートというのを使用しています。でもデジタルカメラの評価の時には、何故かレンズ性能測定にはハウレットチャートを使わないんです。なので、久々にハウレットチャートによる、レンズ性能測定が出ています。
アサヒカメラの解像力テストやMTFテストのように数値でいくらって出るわけではないので、よくあちらこちらのBBSなんかではアサカメのテストの数字は引用されますが、日カメのハウレットチャートの結果は引用されることはないです。テストの意味も判らず数字だけを得意げに並び立てる人ばっかりってことですわ、要は。
ハウレットチャートの結果の理想像は、中心が最高得点の円で、その周りを同心円が取り囲み、外側に行くに連れて得点が減っていく、というものです。が、'90年代半ばまで、CONTAX以外の国産レンズで、それに多少なりとも近い形の等高線を描いていたレンズは皆無です。
これは何を意味するかというと、CONTAX以外の国産レンズはどれも設計図通りに製造できていなかったということで、ほとんどは偏芯しまくっていたと思われます。
以前このコラムでCONTAXレンズの当たり外れのことを書きましたが、その後どうも「Zeissのレンズはバラ付きが多い」という誤解にすり替わっているようです。まあある意味では他の国産レンズは、CONTAXレンズに相当する当たり外れはないのですけどね。外れどころか、Zeissの検査官がゴミ箱へ捨てるようなものしかなかったんだから。
それが'90年代も終わりになってから、徐々に理想に近い形になってきてまして、今月の日カメで測定されているNikonのレンズなどは、'80年代のCONTAXレンズに並ぶくらいに綺麗な同心円を描いています。
まあこのコラムを読んでから日カメを見た人は「これのどこが綺麗な同心円だ?」と思うかも知れませんが、フィルムの平面性の問題もあるので、あれでも綺麗な方なのです。国立図書館とかに行けば、'80年代とか'70年代の日カメが閲覧できると思いますので、比べて見て下さい。その頃のチャートがどれくらいぐちゃぐちゃだったかを。
Nikonのカメラ部門の部長さんが、'90年代終わり頃に代わったそうなのですが、その頃からNikonレンズの設計方針がかなり変わってきていると感じています。解像力重視から、コントラスト再現性重視へと。そのせいで、最新設計のレンズは、古くからのNikonユーザーには「前のモデルよりも解像力が落ちている」と不評なことが多いんですけどね。しかし製造の精度が上がってピントの切れがよくなってきて、レンズのバラ付きも判るようになってきていて、判る人達はNikonでも当たり外れがあることを知っています。
当たりと外れってそんなに違うものか?と思うかも知れませんが、まあ...使っていて何も感じないなら、幸いお使いのレンズ全部が当たっているか、或いは全部外れか、でなければ違いが判るだけの目をお持ちでないってことなので、気にすることはありませんけど。

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