火坂氏の時代劇は、時代の主人公を支えた脇役を取り上げることが多いようです。
今ではあまり話題に上ることのない、NHKの大河ドラマの原作にはなり得ないような人物を取り上げ、その時代を見事に描いているように感じます。
筆運びも巧みで、氏の文章は非常に読みやすくテンポもよく、分厚い本書上下2巻をそれぞれ通勤の行き帰り+昼休みの4時間程度、2冊で8時間足らずで読み切ってしまいました。
主人公の今井宗久は、安土桃山時代には千利休と並び称される茶人でしたが、利休と違いその後継者はなく、茶は商売の道具としてしかみていなかったというのは、案外当たっているのかもしれません。
それでも天下有数の茶人として今でも名を残しているのですが、凄いですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿