2007年3月25日日曜日

沈黙のフライバイ / 野尻 抱介



野尻氏の作品はハードSFに分類されるようなのですが、ストーリーのノリというか登場人物の軽快さというか、アニメチックでコメディタッチで読みやすい作品に仕上げられています。
そのためか、難解な理論がさらりと語られていて、ハードSFにありがちな「判る人にだけ楽しめる」のではなく、判らない人でも楽しめるものになっていますね。
本書は短編集で、宇宙進出への実現を現実的に語った物語が数編収められているのですが、可能性がありそうな(一部は既に実現されている)ものばかり並んでいて、現実と物語の区別が読み進んでいく内に曖昧になり、知らず知らずの内に作者の罠に引っかかってしまいます。


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